馬寅初

馬寅初（ば いんしょ）について

馬寅初は1882年6月24日に誕生し、1982年5月10日に逝去した、中国の経済学者、教育者、政治家です。彼は中華民国と中華人民共和国の両時代において重要な役割を果たし、特に経済学の分野でその名を知られています。彼が提唱した「新人口論」は、計画出産の必要性を訴えるもので、多くの影響を及ぼしました。

学歴とアメリカ留学

馬寅初は紹興県にある学堂を卒業後、上海の中西書院（後の東呉大学）に進学しました。1904年に卒業後は天津・北洋大学へと進んで冶金学を学ぶものの、アメリカ留学を経て経済学に転向します。イェール大学で経済学を専攻し、1910年に修士号を取得した後、コロンビア大学で経済学と哲学の博士号を取得しました。彼の修士論文は学術界から高く評価され、教材としても使用されました。

北京大学での活躍

帰国後の1915年、彼は北京大学の経済学教授に就任し、その後経済研究所の主任として多くの改革に貢献しました。馬はロシア革命にも支持を寄せ、学生運動にも積極的に関与し、五四運動では特に学生たちの解放運動を支援しました。1920年には上海に移り、東南大学商学院の設立に参加し、その後は北京に戻り経済学会を組織しました。

国民政府時代

国民政府が成立すると、馬は再び時代の政治的シーンに登場し、経済委員会や財政委員会の委員長に選ばれます。彼は対外政策について厳しい批判を行い、特に蔣介石の政策を攻撃しました。日中戦争の勃発後には重慶大学で教授として教える傍ら、政府の腐敗を公然と批判しました。その結果、1941年には逮捕され、抑圧を受けることになりますが、このことが却って国民党への批判を強める要因となりました。

計画出産の提唱

1949年には浙江大学の校長に任命され、その後中華人民共和国成立の初期には経済政策において重要な役割を果たします。1955年に人口制御の必要性を提言し、1957年には「新人口論」を発表しました。この理論は当初支持を受けましたが、後にさまざまな批判を受け、彼は大学の校長職を辞任することになりました。批判は彼に対する圧力を増し、文化大革命では彼はさらに厳しい状況に追い込まれました。

晩年と評価

1978年には中国共産党から再評価を受け、名誉を回復されました。1982年に101歳で逝去するまで、彼の業績は経済学界や中国の歴史において重要なものであり続けました。彼が提唱した理論は、政策として実施された結果、長期にわたる社会的影響を与えました。彼の晩年にはその業績への再評価が進み、中国における人口問題に対する重要な考え方を提示した人物として記憶されています。

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