馬来田駅

馬来田駅：歴史と変化を刻む久留里線の駅

千葉県木更津市真里に位置する馬来田駅は、東日本旅客鉄道（JR東日本）久留里線沿線にある地上駅です。単式ホーム1面1線というシンプルな構造ながら、その歴史は深く、地域の生活に密着した変化を辿ってきました。

開業から現在まで：歴史の軌跡

馬来田駅が開業したのは1912年（大正元年）12月28日、千葉県営鉄道久留里線の駅としてでした。その後、1923年（大正12年）9月1日に国有化され、国鉄の駅となります。1962年（昭和37年）10月1日には貨物取扱いを廃止、1984年（昭和59年）2月1日には荷物扱いも廃止されました。1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化により、JR東日本の駅となりました。

1995年（平成7年）は馬来田駅にとって大きな転換期となりました。3月1日に単線化され、列車交換ができなくなりました。さらに、6月1日には終日無人化されました。しかし、8月1日には地元ボランティアグループ「馬来田駅ボランティア」による簡易委託化が始まり、地域住民の支えを受けながら駅業務が続けられてきました。2009年（平成21年）3月14日には東京近郊区間に編入され、利便性も向上しました。しかし、2024年（令和6年）4月1日をもってボランティアグループの活動が終了し、再び終日無人駅となりました。

駅舎と設備：時代の変化を映す姿

かつては相対式ホーム2面2線を持つ駅でしたが、現在の馬来田駅は単式ホーム1面1線です。それでも、廃止されたホームの跡は今も残されており、駅の長い歴史を感じさせます。ホームは5両編成に対応し、駅舎よりやや高い位置にあり、スロープで駅舎と繋がっており、バリアフリーにも配慮されています。ホーム上には待合所も設置されています。

トイレは駅舎内のスロープ途中に位置し、男女別トイレに加え、バリアフリー対応トイレも完備されています。以前は簡易トイレでしたが、現在は和風な外観の比較的大きな建物に改築されています。

IT技術の活用：実証実験の軌跡

2007年（平成19年）4月24日から5月24日にかけて、GPS携帯電話を活用した在線確認システム「ITかかし」の実証実験が行われました。運転士がGPS機能付き携帯電話を持ち、列車の位置情報をリアルタイムで確認するシステムで、馬来田駅では列車の発車や到着に関する放送が流れる仕組みでした。現在は撤去されています。

利用状況と周辺環境

2022年度の1日平均乗車人員は131人です。近年は利用者数の変動があり、地域社会の変化を反映していると言えるでしょう。駅周辺には「馬来田駅前」停留所があり、日東交通と千葉中央バスの路線バスや高速バスが発着し、地域交通の拠点としての役割も担っています。隣の駅は東[[横田駅]]と下郡駅です。

まとめ

馬来田駅は、1912年の開業以来、地域と共に歩んできた歴史を持つ駅です。時代とともに変化を遂げながらも、地域の生活に寄り添う存在として、その役割を担い続けています。単式ホーム1面1線の無人駅として、静かに未来へと向かう馬来田駅の姿は、日本の地方鉄道の縮図と言えるかもしれません。

もう一度検索