馬越石トンネル

馬越石トンネルについて

馬越石トンネルは、宮城県仙台市太白区茂庭字馬越石に位置する、宮城県道31号仙台村田線の一部を構成するトンネルです。青葉区と太白区の境界付近に位置し、仙台市街地と秋保温泉、川崎町を結ぶ上で非常に重要な役割を果たしています。

歴史

馬越石トンネルの歴史は、明治時代にまで遡ります。1892年（明治25年）に、当時の生出村の村長であった長尾四郎右衛門が、村道改修事業の一環として開削しました。同時期には、広瀬川に生瀬橋が、名取川には生出橋が架けられており、これらのインフラ整備は、地域の発展に大きく貢献しました。

その後、1950年（昭和25年）には拡幅工事が竣工し、1973年（昭和48年）には再拡幅工事が行われました。1989年（平成元年）には、仙台市の政令指定都市移行に伴い、トンネルの管理が宮城県から仙台市に移管されています。2006年（平成18年）には、トンネルの村田側坑口付近で土砂崩れが発生し、一時的に通行止めとなりました。

構造

馬越石トンネルは、全長50.6m、幅員3.6m、高さ3.0mの規模です。車道は片側1車線で、追い越しは禁止されています。路肩には歩道が設けられていますが、幅が狭く、人が1人通れる程度のスペースしかありません。

概要

馬越石トンネルは、仙台藩政時代には、仙台城下への最短ルートとして利用されていた山道の脇に位置しています。トンネルが建設される以前は、長町を経由する必要がありましたが、トンネルの完成により、仙台市街地へのアクセスが格段に向上しました。

トンネルの完成後、宮城県による2度の拡幅工事と、仙台市による坑口の改修を経て、現在に至ります。

交通の要所

馬越石トンネルは、山形や仙南方面から東北自動車道を経由せずに仙台市街地へアクセスする際の最短ルートとして利用されています。仙台西[[道路]]の建設以前から、国道286号線よりも早く仙台市街に到達することができました。

近年では、自動車が主要な交通手段となったため、朝晩の交通渋滞が激しくなっています。また、トンネルの前後には急勾配の坂道があり、冬季には路面凍結による車両の立ち往生が頻繁に発生します。冬季にトンネルを通過する際には、冬道対策が不可欠です。

4車線化の提案と課題

国道286号線から折立交差点にかけては、上り坂に登坂車線がありますが、馬越石トンネルの手前でボトルネックとなり、渋滞が慢性化しています。茂庭台と折立間の交通量増加に伴い、仙台村田線の4車線化が求められていますが、そのためにはトンネルを拡幅するか、取り壊す必要があります。

しかし、トンネルの上は動物たちが利用する獣道となっており、トンネルの拡幅や取り壊しは、周辺の自然環境に悪影響を及ぼす懸念があります。動物保護団体からは、生態系の変化を懸念する声が上がっており、拡幅工事の計画は進んでいません。

関連項目

• - 宮城県道31号仙台村田線
• - 茂庭台
• - 太白山

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