秋保温泉

秋保温泉

宮城県仙台市太白区秋保町湯元に位置する秋保温泉は、仙台市街からほど近い場所にありながら、豊かな自然に囲まれた温泉地です。その歴史は古く、古くは「名取の御湯」と呼ばれ、皇室にも愛された名湯として知られています。同じ宮城県の鳴子温泉、福島県の飯坂温泉と共に奥州三名湯の一つに数えられ、かつては兵庫県の有馬[[温泉]]や愛媛県の道後温泉と並んで日本三名湯の一つとも言われていました。

泉質と効能

秋保温泉の泉質は、弱塩泉、またはナトリウム・カルシウム-塩化物泉で、低張性中性高温泉に分類されます。源泉温度は24度から60度と幅広く、リューマチ、神経痛、創傷、皮膚病、貧血、婦人病など、様々な効能が期待できます。

温泉街の様子

温泉街は、名取川が形成した河岸段丘に沿って広がっており、磊々峡（らいらいきょう）と呼ばれる渓谷が近くにあります。温泉旅館の多くは名取川の右岸に位置しており、旅館・ホテルは16軒、客室総数は1,242室、総収容人員は6,172人にのぼります。

温泉街には、平安時代から続く老舗旅館や、江戸時代創業の旅館が建ち並び、歴史を感じさせる景観が特徴です。また、仙台都市圏で最高クラスの価格とサービスを提供する施設も複数存在し、コンベンション施設としても利用されています。

2010年時点では、観光客入込数は約108万人、宿泊客数は約81万人と、宮城県内でも有数の観光地です。近年では、ビジネスホテル需要や、海外からの観光客に対応した低価格帯の宿泊施設も登場しており、多様なニーズに応えられる温泉地へと変化しています。

歴史

秋保温泉の開湯時期は不明ですが、古墳時代には既に存在したという説もあります。歴史にその名が登場するのは、欽明天皇の時代です。天皇が皮膚病を患った際、秋保温泉の湯を都に運ばせ入浴したところ、数日で全快したという逸話が残っています。このことから、秋保温泉は皇室の御料温泉として「御湯」の称号を賜り、別所[[温泉]]や野沢温泉と共に「日本三御湯」と称されるようになりました。

江戸時代には、伊達政宗の御殿湯が整備され、湯守役は佐藤家が務めていました。当初は一箇所だった入浴場も、後に複数の旅館が開業し、湯治場として賑わいました。大正時代には馬車軌道や電気鉄道が開通し、仙台市街からのアクセスが向上しました。しかし、戦後には大型観光ホテルが建設されるようになり、町の財政では対応が困難になったため、1988年に仙台市へ編入合併されました。

仙台市との合併後、道路整備が進み、仙台市街からのアクセスは大幅に改善されました。また、上水道や下水道も整備され、温泉街の環境も向上しています。バブル景気までは団体旅行客で賑わっていましたが、バブル崩壊後は個人客向けの高級旅館や、低価格帯の宿泊施設も登場し、多様なニーズに対応できる温泉地へと変化しています。

周辺観光地

秋保温泉の周辺には、以下のような観光スポットがあります。

磊々峡（らいらいきょう）
秋保大滝
仙台万華鏡美術館
天守閣自然公園
秋保工芸の郷
仙台市天文台
錦ケ丘ヒルサイドモール
二口渓谷
国営みちのく杜の湖畔公園
釜房湖
仙台市都心部
立石寺（山寺）
面白山高原

アクセス

自家用車

JR仙台駅から約34分
東北自動車道・仙台南ICから約16分
東北自動車道・仙台宮城ICから約21分
山形自動車道・宮城川崎ICから約30分

バス

JR仙台駅から「仙台西部ライナー」で約29分
宮城交通快速バスで約45分
一般路線バスで約1時間
JR仙山線・愛子駅から仙台市営バスで約15分（本数少ない）

送迎バス

ほとんどの宿泊施設が仙台駅東口からの送迎バスサービスを提供しています。

その他の情報

秋保の田植踊（ユネスコ無形文化遺産）
さいち（温泉街に立地）

外部リンク

秋保旅ガイド（秋保温泉旅館組合）
* 秋保・里センター

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