馬込車両検修場

馬込車両検修場：都営浅草線車両基地の全貌

馬込車両検修場は、東京都大田区南馬込に位置する東京都交通局（都営地下鉄）の車両基地であり、浅草線（1号線）の車両が所属しています。東京都交通局馬込総合庁舎も併設されており、浅草線の中枢機能も担っています。

歴史

1960年の浅草線開業当初は、京成電鉄の協力を得て向島検修区で検修業務を行っていました。路線の延伸に伴い、高砂検修区を一時的に借用。その後、1968年に馬込検車場が開設され、1969年には馬込車両工場も開設されました。2000年には両施設が統合され、現在の馬込車両検修場となりました。

組織構成と役割

検修場は、検車部門、修車部門、計画部門で構成されています。

検車部門：車両の月検査・列車検査を担当
修車部門：重要部検査・全般検査を担当
計画部門：検修場全体の維持管理を担当

施設概要

検修場内には、検車場建屋、レールセンター線、車輪転削線、検査線、洗浄線、留置線、試運転線、機関車留置線、新車両工場、馬込総合庁舎などが配置されています。特に、試運転線は浅草線と大江戸線の両方の車両が走行可能となっており、架線昇降装置によって架線の高さを調整できます。

馬込車両工場と新車両工場の建設

かつては国道1号線を挟んだ場所に馬込車両工場がありましたが、老朽化のため、検車場内に新しい車両工場を建設することになりました。この再整備計画には、大江戸線の車両検査機能も集約することが盛り込まれました。

新車両工場では、浅草線と大江戸線の異なる規格の車両を効率的に検査できるよう、最新の「ライン検査方式」が採用されています。この方式は、JR東日本の東京総合車両センター西棟を参考に、車両の滞留時間を大幅に減少させることを可能にしました。

検査方式

入場した車両は4両ずつに分割され、入出場線と検査線に移動します。それぞれの検査ラインでは、台車や空調装置などの機器をリンク品と交換する作業が主体となります。取り外された機器は、3階の整備職場や外注作業職場へ運ばれ、点検整備されます。

検査を行う車両

浅草線：5500形
大江戸線：12-000形、12-600形
その他：E5000形

検査は、重要部検査、全般検査、臨時検査の3種類があります。検査日数は、浅草線で10日間、大江戸線で12日間です。

汐留連絡線

大江戸線の車両を馬込車両検修場へ回送するため、汐留 - 新橋間に汐留連絡線が建設されました。大江戸線は鉄輪式リニアモーター方式を採用しているため、通常の軌道である浅草線内では自走できず、E5000形による牽引が必要です。

汐留連絡線は、急曲線や急勾配、パンタグラフの調整区間など、特殊な構造を持っています。

大江戸線用車両の試験

1980年代には、大江戸線（当時は12号線）用の試作車を使用した各種試験が馬込検車場で行われました。この試験では、新しい設備や装置の性能が検証されました。

イベント

馬込車両検修場では、定期的に都営フェスタが開催され、多くの鉄道ファンで賑わいます。過去のイベントでは、普段見ることができない車両の展示や、さまざまな催し物が行われました。

まとめ

馬込車両検修場は、都営浅草線と大江戸線の車両 রক্ষণ を支える重要な拠点です。その歴史、施設、そして最新の技術は、東京の地下鉄ネットワークの安全運行に貢献しています。

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