東京総合車両センター

東京総合車両センターについて



東京総合車両センターは、東京都品川区に位置するJR東日本の車両基地および車両工場です。首都圏本部の管轄下にあり、山手電車区と大井工場が統合されて発足しました。

組織体系



東エリア



旧山手電車区にあたる東エリアは、山手線で使用されるすべての車両、試験車、事業用車が配置されています。ここでは、日常的な定期検査や臨時の修繕作業が行われています。地理的には旧大井工場の東側に位置し、東海道本線と東急大井町線に隣接しています。大崎駅からは入出区線を通じてアクセス可能です。

1967年に建設されたこのエリアは、コンクリート製の高架を持つ二階建て構造で、下層に22線、上層に23線の収容線を有しています。1〜4番線は修繕線として使用され、特に2・3番線は基地奥の修繕場に繋がっています。修2番線にはリフティングジャッキ、修3番線には車輪転削装置が設置されています。かつては構内入替用の事業用車両（クモヤ143形）が1・4番線に留置されることが多くありました。5〜7番線は定期検査用ピット線、8〜11番線は手洗い洗浄線、12番線以降は留置線として利用されています。

西エリア



旧大井工場にあたる西エリアは、国鉄時代から東京地区の電車を専門に検修・改造を行っています。2023年まで、レンガ造りの御料車庫が存在しましたが、周辺の再開発に伴い解体されました。ここには、歴代の皇室用客車も保管されていましたが、現在の状況は公開されていません。また、旧型車両も保存されています。

現在、東京総合車両センターは、209系、E231系、E233系などの新系列車両の検査を主に担当しており、これらの車両のメンテナンスに最適な設備を備えています。新系列車両は耐久性や耐摩耗性に優れているため、新保全体系と呼ばれる検査体系が導入され、効率的な検査が可能になっています。西エリアには、1997年完成の「新系列車両検修西棟」と2004年完成の「新系列車両検修東棟」があり、車両を分割せずに台車や屋根上機器の検査が可能です。なお、205系は現在、大宮総合車両センターが担当しています。

廃車車両の解体設備も備えていますが、近年では長野総合車両センターでの解体が主流となっています。

田町派出所



2018年6月に、田町センターを改組して田町派出所が発足しました。田町センターは、2013年のダイヤ改正で田町車両センターが廃止された後に設置されました。田町車両センターの配置車両は、特急用の185系や251系は大宮総合車両センターへ、E233系や215系などの一般形車両は国府津車両センターなどに移管されました。

田町派出所では、東海道線東京口や上野東京ラインなどで使用される車両が留置されており、日中には上野東京ライン常磐線直通のE231系や寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」用の285系も留置されています。構内運転業務や仕業検査は、JR東日本運輸サービス(JETS)に委託されています。

派出検査



品川、赤羽、東京、新宿の各駅には、車両不具合発生時に対応する派出所が設けられています。これらの派出所では、車両の不具合対応や人身事故時の復旧作業、山手線、中央線、湘南新宿ライン、上野東京ライン、京浜東北線などの車両添乗による状態把握を行っています。各派出所では、自社車両だけでなく、機関車や直通運転先の他社車両にも対応することがあります。

派出所の社員は東京総合車両センターの所属であり、2022年4月1日に松戸車両センター上野派出所が廃止されたため、その業務も各派出所が担うことになりました。

品川派出所


品川駅構内にある臨時検査の派出所で、本線営業列車での車両不具合に対応します。

赤羽派出所


2007年設置の赤羽駅構内にある派出所です。赤羽発着列車には東京総合車両センター所属車両は運用されていませんが、首都圏本部管内の新系列車両検査を担当しています。

池袋派出所


2008年に旧池袋運転区の検修部門を引き継ぎましたが、2018年に廃止され、新宿派出所に業務が移管されました。

新宿派出所


2013年に田町車両センターが移管された際に東京総合車両センターの管轄となり、新宿駅に常駐して特急車両を含む全般的な検修作業を行っています。

東京派出所


新宿派出所と同様に2013年に移管され、東京駅に常駐して京葉線、総武快速線、横須賀線などを中心に本線上修繕を担当しています。

歴史



東エリア




西エリア



  • - 1871年：新橋工場として開設。
  • - 1915年：現在地に移転し、大井工場に名称変更。
  • - 2004年：山手電車区と合併し東京総合車両センターとなる。

田町派出所




配置車両に記される略号



  • - 「都トウ」：2022年以降（首都圏本部と東京を示す）。
  • - 「東トウ」：2004年以降（東京支社と東京を示す）。
  • - 「東ヤテ」：1987年以降（東京地域本社と山手線を示す）。
  • - 「南ヤテ」：1985年以降（東京南鉄道管理局と山手線を示す）。
  • - 「南シナ」：1969年以降（東京南鉄道管理局と品川を示す）。
  • - 「東シナ」：開設時（東京鉄道管理局と品川を示す）。

整備車両に記される略号



  • - 「東京総合車セ」または「TK」。
  • - 大井工場時代は「大井工」または「OY」。

配置車両



2024年4月1日現在

  • - E235系電車（550両）: 0番台11両編成50本
  • - E655系電車（1両）: 特別車両「E655-1」のみ
  • - 157系電車（1両）: 貴賓車「クロ157-1」

過去の配置車両




入換動車



  • - クモユニ143形
  • - 101系
  • - クモニ13形

保存車



  • - 31系（クモハ12052）
  • - クハ209-901

保存後に移動した車両



  • - ナデ6141
  • - クモハ101-902
  • - マイテ39 11

保存後に解体された車両



  • - クモハ12053
  • - クモヤ90801

御料車庫



旧大井工場時代から皇室用客車の車庫として使用され、2023年に解体されました。

脚注





関連項目



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