馬頭郡

馬頭郡（ばとう-ぐん）は、中国にかつて存在した郡であり、東晋時代から北斉時代にかけて、現在の安徽省蚌埠市一帯に設置されていました。

歴史

405年（東晋の義熙元年）、もとの淮南郡当塗県に馬頭郡が立てられました。当初、豫州に属し、郡治は馬頭城に置かれました。この設置により、地域行政の再編が行われたことが伺えます。

473年（南朝宋の元徽元年）には、馬頭郡は徐州に転属しました。この所属変更は、当時の政治情勢や勢力関係の変化を反映していると考えられます。宋の時代の馬頭郡は、虞・零・済陽の3県を管轄していました。

南朝斉の時代になると、馬頭郡は北徐州に属し、己吾県1県のみを管轄するようになりました。管轄県の減少は、行政区画の再編や地域の重要性の変化を示唆している可能性があります。

549年（東魏の武定7年）には、東魏が南朝梁から馬頭郡を奪いました。この時期は南北朝時代の争いが激化しており、馬頭郡もその影響を受けたことがわかります。東魏の支配下に入った馬頭郡は、楚州に属し、蘄県と平預県の2県を管轄しました。

最終的に、北斉の時代に馬頭郡は廃止されました。廃止の理由は明確ではありませんが、行政改革や地域の重要性の低下などが考えられます。

まとめ

馬頭郡は、短い期間ながらも所属や管轄県を変化させ、中国の南北朝時代の動乱を反映した郡でした。その存在は、当時の地域行政や政治情勢を理解する上で重要な要素となります。北斉によって廃止された後、馬頭郡の名前は歴史の中に埋もれていきましたが、その足跡は、安徽省蚌埠市一帯の歴史を語る上で欠かせないものとなっています。

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