騎兵第10連隊

騎兵第10連隊

騎兵第10連隊（きへいだいじゅうれんたい）は、大日本帝国陸軍に所属した騎兵連隊の一つです。1899年（明治32年）に創設され、1940年（昭和15年）に捜索第10連隊へと改編されるまで、数々の戦役に参加しました。ここでは、その歴史と戦歴を詳細に解説します。

創設と初期

騎兵第10連隊は、1899年（明治32年）12月27日に軍旗を拝受し、姫路城下にてその歴史をスタートさせました。創設当初より、その機動力を活かした偵察や急襲を主任務とし、大日本帝国陸軍の中でも重要な役割を担っていました。

戦歴

連隊は、創設から解隊まで、以下のような主要な戦役に参加しました。

日露戦争 (1904年-1905年)：遼陽会戦、沙河会戦、奉天会戦など、数々の激戦に参加しました。騎兵としての機動力を活かし、戦局に大きく貢献しました。
満州事変 (1931年)：熱河作戦をはじめとする多くの戦闘に参加しました。広大な満州の地を駆け巡り、作戦の遂行に重要な役割を果たしました。
支那事変 (1937年)：徐州会戦、武漢攻略戦などに参加しました。中国大陸での戦いにおいて、騎兵連隊としての強さを発揮しました。
太平洋戦争 (1941年-1945年)：1944年（昭和19年）にフィリピンへ転進し、ルソン島の戦いに参加。しかし、戦況は悪化し、連隊はほとんど全滅という悲劇的な結末を迎え、その歴史に幕を閉じました。

捜索第10連隊への改編

1940年（昭和15年）には、騎兵の役割が変化したため、騎兵第10連隊は捜索第10連隊へと改編されました。この改編後も満州に派遣され、作戦行動を継続しました。しかし、その後の太平洋戦争において、最終的に壊滅的な打撃を受けました。

連隊の終焉

太平洋戦争末期、フィリピン・ルソン島での戦いにおいて、騎兵第10連隊はほぼ全滅しました。近代戦における騎兵の役割が限定的になる中、連隊は最後まで勇猛果敢に戦いましたが、その歴史に幕を下ろすこととなりました。この連隊の戦いは、大日本帝国陸軍の歴史における一断面を示すものであり、現代においてもその教訓を忘れてはならないでしょう。

参考文献

佐久間亮三・平井卯輔編著『日本騎兵史』原書房(1970年)

関連項目

大日本帝国陸軍連隊一覧

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