徐州会戦

徐州会戦の概要

徐州会戦（じょしゅうかいせん）、または徐州作戦は、日中戦争の一環として1938年の4月7日から6月7日まで、江蘇省、山東省、安徽省、河南省において展開された日本陸軍と中国国民革命軍の戦闘を指します。

日本軍は、台児荘の戦いで撤退した後に中国軍の主力が徐州近郊に集結している情報を得て、徐州南北からの侵攻を決意しました。この侵攻は、台児荘での敗北への報復を狙ったものでもあり、最終的な目標は中国軍の殲滅でした。5月19日には徐州を無血で占領したものの、中国軍主力の包囲撃滅作戦は失敗に終わりました。また、この戦闘の後、中国軍は黄河の堤防を破壊し、黄河決壊事件に発展しました。

戦闘の背景

1937年12月に南京を攻略した後、日本政府は早くも翌年の1月に「国民政府を対手とせず」との声明を発表しました。これにより、日本側は戦争終結への道を閉ざされ、国力の蓄積が急務となりました。参謀本部は、1938年の夏まで新たな作戦を行わず、その間に国力を養う方針を確定しました。一方で、現地の軍はこの消極的な方針に対する不満を抱いており、結果としてより積極的な作戦の必要性が主張されることとなります。

参戦兵力

中国軍は李宗仁の指揮下、40万から50万人を徐州に集結させました。徐州は戦略的に重要な地点で、津浦線と隴海線が交差する場所であり、ここを巡った戦闘は非常に熾烈です。

日本陸軍の作戦指導においては、徐州への攻撃と中国軍主力の包囲撃滅が画策されました。最終的に、大本営は「徐州付近の敵を撃破する」ことを命じ、作戦が開始されます。

作戦の進行

徐州作戦は、まず台児荘の北方にいる部隊が敵軍を徐州近辺に誘導する“吸引”作戦が展開されました。第10師団と第5師団が最初に中国軍と戦闘を繰り広げ、その後は第14師団と第16師団が徐州を目指し動き出します。

5月5日、日本の中支那派遣軍が徐州作戦を発動し、各部隊が徐州に向けて進撃しました。しかし、中国軍は徐州を防衛するために戦略的配置を急がせ、最終的に徐州を放棄する決断を下しました。

作戦の結果と評価

徐州会戦の結果、日本軍は徐州を占領しましたが、中国軍主力の包囲には失敗しました。この戦闘によって津浦線の打通が実現し、日本軍は南北の連絡を維持する道を確保しましたが、戦闘の明確な目的は達成されませんでした。日本軍の損失は夥しく、戦闘後の追撃も黄河の氾濫によって阻まれました。

この徐州会戦は、日中戦争の策略の一環として重要な記録を残し、後の戦局に大きな影響を与えました。中国の指導者蔣介石は、徐州に兵力を集結させることで武漢の防衛時間を稼ぎ、戦闘後の日本軍の動きに備えたことが後の戦局に重要な役割を果たしました。結果として、徐州で得た戦略的成果は短期的には成功でしたが、長期的には戦局を決定づけるものにはなりませんでした。

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