安東金氏

安東金氏について

安東金氏（アンドンキムし）は、朝鮮の歴史に名を刻む氏族であり、その本貫は安東にあります。この氏族には二つの主要な家系が存在します。一つは新羅王族の金叔承を祖とする旧安東金氏、もう一つは高麗の建国に貢献した金宣平を起源とする新安東金氏です。特に、李氏朝鮮時代後期において、後者の新安東金氏が特に影響力を持ちました。

旧安東金氏

旧安東金氏は新羅の敬順王の四子、大安君金殷説の子である金叔承を始祖とし、金叔承は高麗に仕官しました。この血筋からは高麗の著名な将軍である金方慶が輩出され、また独立運動家である金九もこの家系に属しています。旧安東金氏は新羅時代から続く長い歴史を持ち、その系譜は新羅の王族にまでさかのぼります。

新安東金氏

新安東金氏の始祖、金宣平は新羅末期の有力者であり、彼は国の分裂した後三国時代において王建（高麗の太祖）に支持を表明し、特に瓶山の戦いにおいて後百済の甄萱との戦闘で重要な役割を果たしました。この功績により、金宣平は高麗建国の功臣とされました。

李氏朝鮮時代の中でも、特に後期には金祖淳の娘が純祖の后、純元王后として取り立てられました。更に貞純王后が亡くなると、安東金氏は王妃を何度も送り、約60年間にわたり外戚として政治的な影響力を持ち続けました。この時期、安東金氏は国政において非常に重要な立場を占めており、朝鮮末期の政治家である金玉均もこの家系に属しています。

人口と分布

2015年の調査によると、安東金氏の人口は519,719人に上ります。ただし、地域による分布にはばらつきがあります。全国的には約1%前後の割合を占めていますが、特に慶尚北道北部や忠清北道北部といった地域では比率が高く、特に慶尚北道安東市では人口の7.12%が安東金氏に属します。安東市は11,379人とまとまった人数を有し、氏族としての存在感を示しています。

まとめ

安東金氏はその長い歴史と影響力を通じて、朝鮮の文化と政治に多くの足跡を残してきました。氏族の構成は多様であり、地域によってもその存在感に違いがあります。旧安東金氏と新安東金氏という二つの系統は、それぞれ異なる歴史的役割を果たしながら朝鮮半島での影響力を発揮し、今日まで受け継がれてきています。このように、安東金氏は朝鮮の歴史において重要な地位を占めています。

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