骨軟骨腫

骨軟骨腫（Osteochondroma）

骨軟骨腫は、軟骨性外骨腫とも呼ばれ、原発性骨腫瘍の中で最も頻繁に見られる良性の腫瘍です。これは、骨の表面にできる軟骨と骨からなる異常な成長です。

概要

骨軟骨腫は、骨から外側に成長し、様々な形状の骨状の塊を形成します。男性にやや多く、10代で最も多く発症します。骨軟骨腫には、単発性と多発性の2種類があります。単発例は約70%、多発例は約30%の割合で発生します。

単発例は、脛骨（膝の下の骨）の膝に近い部分に最もよく発生します。その他、大腿骨（太ももの骨）、上腕骨（腕の骨）、手指の指骨、肩甲骨などにも発生することがあります。多発例は、遺伝性または家族性の場合があります。

症状

骨軟骨腫の主な症状は、以下のとおりです。

骨性の硬い腫瘤（しゅりゅう）
疼痛（とうつう）
関節の可動性制限

多発例では、四肢の変形や短縮が生じることがあります。爪の下に発生する爪下外骨腫では、爪の変形を伴うことがあります。

診断

骨軟骨腫の診断は、通常、X線検査で行われます。X線写真では、正常な骨の皮質から連続して骨の外側に突出する腫瘍陰影が確認できます。腫瘍の形状は、球状、きのこ状、台地状、珊瑚状など様々です。腫瘍と骨髄も連続しています。

病理組織学的には、腫瘤の頂上部に軟骨帽と呼ばれる軟骨組織が見られます。この軟骨組織は骨端軟骨に似ており、その下層で軟骨内骨化、骨形成、骨髄形成が認められます。

治療

骨軟骨腫の治療法は、症状の程度によって異なります。無症状の場合、経過観察のみで済むこともあります。しかし、痛みや運動機能障害などの症状がある場合は、手術による切除が必要となることがあります。

多発性の骨軟骨腫の場合、約10%の症例で悪性の軟骨肉腫に移行することが知られています。そのため、定期的な経過観察が重要です。

関連項目

腫瘍
骨腫瘍

参考文献

『南山堂 医学大辞典』 南山堂 2006年3月10日発行 ISBN 978-4-525-01029-4

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