髑髏城の七人

髑髏城の七人

『髑髏城の七人』は、劇団☆新感線による「いのうえ歌舞伎」シリーズの一環として位置付けられた演目であり、劇団の代表作でもあります。英語では「SEVEN SOULS IN THE SKULL CASTLE」というタイトルが付けられています。この作品は、中島かずきが作を手がけ、いのうえひでのりが演出を担当しています。

初演とその後の展開

初めての上演は1990年11月16日に池袋西口公園テントで行われ、東京国際演劇祭'90に参加しました。初演では、古田新太が主演として捨之介と天魔王を一人二役で演じ、話題を呼びました。上演は全14ステージが記録され、好評を得るものの、演出と作に対しては双方共に納得がいくものではありませんでした。そのため、1997年に行われた再演では、ストーリーや演出に対して大幅な修正が加えられました。

再演においては、アクションクラブが参加し、特に殺陣のスキルが向上したことが評価され、いのうえ歌舞伎の最高傑作と謳われるほどに進化を遂げました。2004年には、二つのバージョンが上演されることになり、ひとつはストレートな演技に重きを置いた『髑髏城の七人〜アカドクロ』、もうひとつはエンターテインメント性を強調した『髑髏城の七人〜アオドクロ』という具合に、異なるスタイルで観客を楽しませました。

以降、作品は7年ごとに設定や演出が変えられ、継続的に再演されています。2011年には小栗旬が主演の新しいバージョン『髑髏城の七人（ワカドクロ）』が上演され、捨之介と天魔王の役は別々の役者により演じられることとなり、物語は新たな方向へと進化しました。

2017年から2018年にかけては、IHIステージアラウンド東京での長期公演『髑髏城の七人 Season花・鳥・風・月』が行われ、各シーズンごとに異なるキャストと演出で上演されました。さらに、2018年には新作『修羅天魔〜髑髏城の七人Season極』が制作され、主要なキャラクターである捨之介と蘭兵衛は登場せず、新たな展開が描かれました。天海祐希が主演し、古田新太が14年ぶりに天魔王役を務めました。

あらすじと登場人物

物語は天正18年、織田信長の没後8年の時代を舞台にしています。天下統一を目指す豊臣秀吉の支配が及ばない関東では、天魔王と呼ばれる仮面の男が「関東髑髏党」を率い、恐怖の存在となっています。この状況の中、少女沙霧を助けた捨之介は、狸穴二郎衛門と共に色街「無界の里」への旅に出ますが、無界の里が髑髏党に襲撃され、捨之介たちは天魔王との対峙を決意します。

登場人物には、信長の影武者としての顔を持つ捨之介や、無敵の鎧を身にまとい天下を狙う天魔王、沙霧や無界屋蘭兵衛など、複雑に絡み合う人間模様が描かれています。彼らの運命はどのように交錯し、どのような行く先が待っているのか、観客は息を呑んで見守ることになります。

製作の背景

この作品は、東京国際演劇祭のテーマ「新東京物語」に基づいて発展してきました。稽古不足で初日の公演ではサプライズもあり、作品の象徴的なシーンが偶然に生まれることとなりました。物語の背景や登場人物の設定には、さまざまな時代小説や時代劇の影響が見受けられます。特に、後に舞台化される隆慶一郎の『吉原御免状』の要素が盛り込まれています。

『髑髏城の七人』は、これまでの歴史を経て常に新たなスタイルで再創造され、観客を魅了し続けることでしょう。

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