高井諭

高井 諭は、1945年10月15日に愛知県で生まれた元プロ野球選手です。ポジションは投手でした。

経歴

高校時代

愛知県の中京商業高校（現在の享栄高校）に進学し、野球部に所属しました。同期には後に阪急ブレーブスで活躍するエース三輪田勝利投手がおり、高井は主に控え投手としてチームを支えました。

1963年には春季中部大会に出場し、チームは決勝で名商大付高校を破り優勝を果たしました。この大会の準決勝では先発投手としてマウンドに上がり、四日市工業高校相手に完投勝利を収めるなど、実力を発揮しています。

同年の夏の甲子園大会にも出場。この時は五番打者および右翼手としてレギュラーを務めました。チームは3回戦まで勝ち進みましたが、井上健二、平岡一郎という二本柱を擁する強豪、横浜高校に敗れました。高井自身も、この大会では1回戦と2回戦でリリーフ投手として登板しています。また、高校の同期には、後に広島カープでプレーした下村栄二選手がいました。

投球スタイルはオーバースローから投げ下ろす本格派で、特にシュートやカーブを得意としていました。

大学時代

高校卒業後、地元の名古屋商科大学へ進学しました。愛知大学野球リーグでは、チームとして優勝を飾ることは叶いませんでしたが、2度の2位を記録するなど上位争いを演じました。個人としては、リーグ戦で通算49試合に登板し、25勝15敗という成績を残しました。防御率は1.66、奪三振数は249を数えるなど、エース級の活躍を見せました。この活躍が評価され、ベストナインと敢闘賞をそれぞれ1回ずつ受賞しています。

1966年の第一次プロ野球ドラフト会議において、中日ドラゴンズから8位で指名を受けました。しかし、指名を受けた翌日に大学に在学中であることが判明し、プロ野球の協約に抵触するため、この指名は取り消しとなりました。

社会人時代

ドラフト指名取消の後、名古屋商科大学を中退し、社会人野球の日本コロムビアに入社しました。

プロ入り

日本コロムビアでのプレーを経て、1967年のドラフト会議でサンケイアトムズ（現在の東京ヤクルトスワローズ）から4位で指名を受け、入団が決まりました。

プロ野球でのキャリア

サンケイアトムズに入団した高井選手は、1968年に一軍の公式戦に出場する機会を得ました。

彼のプロ野球人生における唯一の一軍登板は、1968年4月14日、明治神宮野球場で行われた対中日ドラゴンズ5回戦のことでした。高井選手は7回表にチームの3番手投手として救援マウンドに上がりました。しかし、打者1人に対してアウトを1つも取ることができず、わずか1/3イニングで4失点を喫して降板しました。これが彼にとって最初で最後の一軍での登板となりました。

この1試合、わずか1/3イニングの登板で4失点という記録が、彼のプロ野球通算成績として残りました。特に特筆されるのは、通算防御率が108.00という極めて高い数値になったことです。防御率は「(自責点 × 9) ÷ 投球回数」で計算されるため、投球回数が極端に少ない場合に自責点があると、非常に大きな数値になりやすいという計算上の特性が、この特異な記録を生んだ要因です。

その後、一軍での登板機会はなく、1971年に現役を引退しました。

引退後

プロ野球選手としてのキャリアを終えた高井氏は、地元である名古屋市に戻りました。現在は名古屋市西区で「炉端焼き たかい」という飲食店を経営しており、野球界を離れて新たな道を進んでいます。

詳細情報

背番号

24 （1968年 - 1970年）
58 （1971年）

記録

* 初登板：1968年4月14日、対中日ドラゴンズ5回戦（明治神宮野球場）、7回表に3番手で救援登板、投球回数1/3、4失点

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