高地

高地（こうち）とは

高地という用語は、一般的に山地や山脈と同様に、高い位置にある地形を指します。しかし、その定義や特性については、地域や文脈によってさまざまな解釈が存在します。

定義と分類

ボーリグ（H. Baulig）は、地形を低地（lowland）、高地（highland）、および中間の台地（upland）に分類しました。この視点から見ると、高地は主に標高が高い地域を意味し、低地とは対照的な概念であると考えられます。

日本においては、1954年に地理調査所が発表した「主要自然地域名称図」の中で、「高地」について次のように定義されています。「起伏はそれほど激しくないが、谷の発展が際立ち、全体に平坦な山地を特に高地と称する。地勢的には山地と高原の中間的な特徴を持ち、人文的には居住の中心が谷底に位置する地域を指す。」しかし、この定義についてはいくつかの問題点が指摘されています。

高地の問題点

まず、高地（highlands）は本来、低地（lowlands）と対になる用語です。これにより、高さのみに基づいた形態的な解釈に制限されるため、「高地」としての自然地域名称としての使用は難しいという指摘があります。また、日本で「高地」と呼ばれる地域に類似する場所が海外に存在するかどうかも疑問視されています。例えば、スコットランドの高地は、国家が高地地方（the Highlands）と低地地方（the Lowlands）に分かれているという背景を持っています。

さらに、地理調査所の定義には人文的な要素が加味されていますが、「高原」は「居住が営まれている山地」とされ、過疎化や開発によってこれらの地域の位置付けが変化するのは自然地理的な論理に反する懸念があります。

熱帯高地

ヨーロッパの地理学においては、「熱帯高地」（tropical highland）という概念も広く用いられています。この研究はアレクサンダー・フォン・フンボルトやカール・トロールによって推進されました。熱帯気候に属する高地の特徴として、山麓は熱帯の影響を受けることが挙げられます。Pawson & Jest（1978）の研究では、人間に影響を与える標高は2,500メートル以上とされています。

世界の高地

世界各国にはさまざまな高地が存在します。たとえば、中国には日露戦争の激戦地として有名な203高地があり、ロシア・ウクライナには中央ロシア高地が位置します。また、南米にはギアナ高地があり、日本にも多くの高地が存在しています。具体的には、北上高地（岩手県）、阿武隈高地（福島県）、飛騨高地（岐阜県）、丹波高地（兵庫県・京都府）などがあります。

関連項目

高地に関連する用語として、ハイランド地方（スコットランドの地域名で「高地」を意味しますが、実際には山地です）、台地やメサ（アメリカ合衆国西部に多く見られるテーブル状の台地）、また高度が人間に与える影響や高地トレーニングなどが挙げられます。これらはすべて高地を理解する上での重要なキーワードです。

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