高城駅

高城駅：大分スタジアムへの玄関口

大分県大分市高城新町に位置する高城駅は、九州旅客鉄道（JR九州）日豊本線沿線にある地上駅です。1914年（大正3年）の開業以来、地域住民の足として、そして近年では大分スタジアムへのアクセス拠点として、重要な役割を担ってきました。

歴史と変遷

高城駅の歴史は古く、大正時代に鉄道院によって開設されました。その後、貨物取扱いの廃止や業務委託化を経て、1987年の国鉄分割民営化によりJR九州に継承されました。

特に注目すべきは、2002年のサッカーワールドカップ開催に合わせた駅舎の改築です。大分スタジアムをイメージした、印象的なデザインの駅舎が完成し、南口も新設されました。ワールドカップ期間中は、多くの特急列車が臨時停車するなど、活気に満ち溢れていました。

近年では、2012年にICカード『SUGOCA』の利用が開始され、利便性が向上しました。そして2023年7月、駅遠隔案内システム「ANSWER」の導入に伴い、終日無人駅となりました。これは、JR九州による駅のバリアフリー化工事の進展状況や「ANSWER」導入駅の利用状況を踏まえた上での決定でした。

駅施設と構造

高城駅は、島式ホーム1面2線のシンプルな構造です。ホームの端にある駅舎から、跨線橋で外部へアクセスできます。2022年には、エレベーター付きの新しい跨線橋が完成し、バリアフリー化がさらに進みました。

駅舎は開業当初は北側にありましたが、2002年の改築で現在の位置に移転。大分スタジアムをイメージしたデザインで、屋根上にはサッカーボールのオブジェが飾られています。駅舎内には多目的トイレも設置され、利用者の利便性を考慮した設計となっています。

また、安全対策として、軌道内のバラストを固定する道床安定剤の使用や、沿線へのフェンス設置なども行われています。

利用状況と周辺環境

2022年度の1日平均乗車人員は約1,476人です。これは、近隣の住宅地や工業地域からの利用客、そして何よりも大分スタジアム（レゾナックドーム大分）への来場者によって支えられています。

駅周辺には、大分スタジアムをはじめ、大分臨海工業地域が広がっています。日本製鉄の九州製鉄所大分地区も近隣にあり、多くの工場関係者も利用しています。

アクセスとバス路線

駅北側にはロータリーがあり、「高城駅前」停留所があります。また、国道197号線沿いには「高城」停留所、駅南側には「岡」停留所があり、大分バスが運行されています。

大分市街地中心部や鶴崎方面へのバスは、本数も多く、利便性が高いです。大分スタジアムへのアクセスには、「パークプレイス大分」行きに乗車し「九石ドーム東」停留所で下車するのが便利です。ただし、Jリーグ大分トリニータの公式戦開催時の臨時バスは、大分駅から運行されます。

その他

高城駅は1線スルーではなく、旧来からの左側通行です。駅構内には保線車両の車庫があり、かつては国鉄ED74形やED76形の電気機関車の廃車留置にも使われていました。現在も、日豊本線における重要な拠点としての役割を果たしています。

高城駅は、地域住民の生活を支え、スポーツイベントなど、様々な場面で人々を繋ぐ重要な交通拠点として、これからもその役割を担っていくでしょう。

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