高塚山古墳 (桑名市)

高塚山古墳について

高塚山古墳（たかつかやまこふん）は、三重県桑名市北別所にある古墳で、形は前方後円墳です。この古墳は、歴史遺跡としての指定はされていませんが、その存在は多くの研究者や歴史ファンに注目されています。

概要

高塚山古墳は三重県北部、桑名市の西部丘陵の頂に築かれており、2004年度には試掘調査が行われました。この古墳の外観は前方後円形をしており、前方部分は南東に位置しています。墳丘の表面では、円筒埴輪（中には朝顔形埴輪も含まれる）や形象埴輪（盾形、蓋形の埴輪など）といった遺物に加え、土師器も見つかっています。しかし、葺石や墳丘に付随する造出は確認されていない状況です。埋葬施設については未調査のため詳しいことはわかっておらず、副葬品についても情報は不足しています。

高塚山古墳の築造年代は古墳時代中期、具体的には4世紀末頃と考えられています。この時期、三重県内では、能褒野王塚古墳（亀山市）、池の谷古墳（津市）、宝塚1号墳（松阪市）などとともに、大型の前方後円墳が地域ごとに建立されていました。高塚山古墳の立地は、濃尾地域と伊勢地域を結ぶ交通上の要所であり、その周辺からは伊勢湾の美しい景観を一望できます。このようなことから、古墳に埋葬された人物の重要性が推測されます。

また、高塚山古墳から出土したとされる三角縁神獣鏡が存在するとされますが、現在ではその出土時期が築造時期とは合わないため、これを本古墳に結びつける説は否定的な見解が強いです。

歴史的背景

江戸時代には、『桑名旧記』に「一丸山 里人高塚と称される」との記述があり、また『久波奈名所図会』では「無双の景地」として言及されています。1889年の『伊勢名勝志』では「丸山 一名 高塚山」と記されています。

その後、1951年に埴輪片が採集され、1969年には測量調査が行われました。2002年から2005年にかけて、桑名市教育委員会による基礎調査が行われ、2004年に行われた地中レーダー探査と試掘調査の結果、古墳の規模や構造に関する情報がさらに具体化されました。

墳丘の特徴

高塚山古墳の墳丘は、1969年に実施された測量調査によれば、約50メートルの長さを持ち、近年の調査では56メートルに達することが見積もられています。後円部の直径は約30メートルで、高さは5メートルです。前方部の幅も約30メートルで、高さは3.5メートルです。

まとめ

高塚山古墳はその規模と立地から、古墳時代の重要な遺跡の一つとして位置づけられていますが、発掘調査が未だ進行中であり、その実態は謎に包まれています。歴史的価値を持つこの古墳は、今後の研究の進展に期待されるところです。

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