高宮宿

高宮宿（たかみやじゅく）：多賀大社への参詣で賑わった宿場町

高宮宿は、かつて近江国犬上郡（現在の滋賀県彦根市高宮町）に存在した、中山道64番目の宿場です。江戸時代には、交通の要所として、また多賀大社への参詣客で賑わいを見せていました。

宿場の特徴

天保14年（1843年）の記録によれば、高宮宿には835軒の家が軒を連ね、その中には本陣1軒、脇本陣2軒、旅籠23軒が含まれていました。宿場全体の人口は3,560人と、かなりの規模であったことがわかります。多賀大社への最寄りの宿場として、その一の鳥居は現在も高宮宿のランドマークとなっています。

高宮宿の特産品は麻織物で、「高宮布」として知られていました。この高宮布は、近江商人によって日本各地に流通し、その品質の高さから彦根藩から将軍家への献上品にも選ばれていました。

史跡・みどころ

高宮宿とその周辺には、歴史を感じさせる数多くの史跡や見どころが点在しています。

大北地蔵：地域の人々に信仰されてきた地蔵尊。
高宮布の布惣跡：かつて高宮布の取引が行われた場所。
多賀大社 一の鳥居：多賀大社への参道の入り口を示す鳥居。
芭蕉の紙子塚：俳人・松尾芭蕉が訪れた際に紙子を贈られたことを記念する塚。
脇本陣跡：大名や公家などが宿泊した脇本陣の跡地。
ふれあいの館：地域の歴史や文化を紹介する施設。
本陣跡：宿場の中心であった本陣の跡地。表門が残されています。

愛知川宿へ向かう道中にも、様々な史跡や見どころがあります。

無賃橋：愛知川に架かる橋。
産の宮：安産祈願で知られる神社。
葛籠町 松並木：旧中山道の面影を残す松並木。
やりこの郷：
一里塚の郷（石畑）：
那須城址：
伊藤忠兵衛翁碑：
伊藤忠兵衛記念館：
金田池：
豊会館（又十屋敷）：
江州音頭発祥地 （千樹寺）：
歌詰橋（藤原秀郷・平将門伝説の地）：

ゆかりの人々

高宮宿は、歴史上の人物とも縁があります。

松尾芭蕉：貞享元年（1684年）に高宮宿を訪れ、小林家に宿泊。その際、新しい紙子羽織を贈られました。
相楽総三：慶応4年（1868年）1月15日、赤報隊を率いて高宮宿に滞在し、中山道を東へ向かいました。

高宮宿は、中山道の宿場町としてだけでなく、多賀大社への参詣道、そして高宮布の産地として、様々な役割を担ってきました。その歴史と文化は、今もなお、彦根市高宮町に息づいています。

隣の宿

中山道

鳥居本宿 - 高宮宿 - 愛知川宿

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