高尾野 中の市

高尾野 中の市

高尾野 中の市（たかおの ちゅうのいち）は、鹿児島県出水市高尾野町で、春の彼岸の中日とその翌日の2日間開催される伝統的な市です。「たかおの中の市」とも呼ばれ、地元では2日目の市を「中の二（ちゅうのに）」と呼ぶこともあります。この市は、南九州市川辺の二日市、姶良市加治木初市と並ぶ鹿児島県三大市の一つとして知られ、出水平野に春の訪れを告げる風物詩となっています。

概要

開催期間中は、肥薩おれんじ鉄道の高尾野駅前を中心に広範囲が歩行者天国となり、約300もの露店が軒を連ねます。苗木や花、雑貨、食べ物など様々な商品が販売され、県内外から10万人以上が訪れるほどの賑わいを見せます。会場では、高尾野兵六太鼓や野田郷島津太鼓の演奏、ジャンボそば早食い競争などのイベントも催され、訪れる人々を楽しませます。かつては、同じ日に紫尾神社で祭事が行われ、鈴かけ馬の馬引も行われていました。

特に有名なのは「そば市」としての側面です。各店や家庭で作られる手打ちの田舎そば（出水そば）は、訪れる人々からの評判も高く、多くの人がそばの食べ比べを楽しんでいます。肥薩おれんじ鉄道の利用者には、先着500名に「そば割引券」が配布されるサービスもあります。

以前は年に一度、春の彼岸の時期のみの開催でしたが、2015年には鶴の町商工会設立10周年を記念して、秋分の日にも「高尾野・秋の中の市」が初めて開催されました。

開催期間中は、高尾野町一帯の道路が広範囲にわたり通行止めとなるため、マイカー利用者は特設駐車場を利用し、そこから会場まで徒歩で移動することになります。肥薩おれんじ鉄道を利用すれば、駅前からすぐ会場に入れるため、電車での来場者も多いです。特に、ピーク時には高尾野駅構内やホームが人で溢れかえるため、肥薩おれんじ鉄道では臨時の出札窓口や改札、係員を配置し、臨時列車を増発して対応しています。

歴史

高尾野 中の市の歴史は古く、江戸時代から続く伝統的な市です。もともとは、紫尾神社の祭事（春祭り）に合わせて露店が立ち始めたのが起源とされています。当時は、山菜や海産物などを物々交換する場として利用されていました。交通手段が発達していなかった時代には、遠方からも親戚縁者が集まり、宿泊を伴う大きな交流の場となっていました。初日は遠方からの来訪者が市を楽しみ、地元の人々は特産である手打ちそばを振る舞ってもてなしたそうです。この伝統が「そば市」と呼ばれる所以となっています。

事務局

高尾野「中の市」実行委員会事務局（鶴の町商工会内）
0996-82-1065

交通アクセス

鉄道：肥薩おれんじ鉄道高尾野駅から徒歩0分
開催当日は、米ノ津駅 - 阿久根駅間で臨時列車が多数運行されます。時間帯によっては約10分から40分間隔での高頻度運行となり、高尾野駅も有人駅として乗車券などの販売が行われます。
車：JR九州出水駅から車で15分
自家用車の場合は、特設駐車場とシャトルバスを利用できます。

外部リンク

高尾野中の市のお知らせ（鶴の町商工会）
たかおの中の市（鹿児島県観光ポータルサイト・出水ナビ）
* 高尾野「中の市」臨時列車運行のお知らせ（肥薩おれんじ鉄道）

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