高山 (藤里町)

高山（秋田県藤里町）

高山は、秋田県藤里町に位置する山で、湯の沢温泉の奥にあります。かつては牧草地として利用されていましたが、現在は樹木が生い茂り、2004年には秋田白神県立自然公園に指定されました。

概要

高山は、古くから隣町の高岩神社や七座山と並び、修験道の修行の場として知られていました。しかし、それを裏付ける寺院や古文書などは残されていません。菅江真澄などの紀行家も、高山については記述していません。

しかし、高山の周囲には、「寺屋敷」や「坊中」といった地名、修験道の寺院があったとされる「明星院沢」、水田跡が残る「行人沢」など、山岳信仰に関わる地名が点在しています。また、山頂には石神や石仏が建っています。

明星院

高山の東、峨瓏の滝から続く滝の沢の奥に、かつて明星院という寺院がありました。多くの修行僧が山伏修行を行い、近隣に托鉢したり、祈祷で村人の病気を癒したりしていました。明星院は高岩神社の寺院で、規模が大きな寺院でした。藤琴集落の東にある院内岱は、明星院の領地であったと伝えられています。また、修行僧が修行した沢は行人沢と呼ばれ、明星院の僧が金を掘った跡も残されています。

突山と大関能代潟

享保9年(1724年)に高山の西斜面で地滑りが発生し、藤琴川が一時的に堰き止められました。この地滑りでできた地形は「突山」と呼ばれています。突山の上にあった石田家からは、大関能代潟錦作が誕生しました。能代潟の最初の四股名は「突山」でした。

高山登山

高山の麓には、温泉施設や白神山地世界遺産センター藤里館があり、そこから登山することができます。登山道は周回するように整備されています。

世界遺産センター藤里館 - 峨瓏の滝 - 峨瓏峡 - 滝の沢林道 - 明星院沢の一つ手前の沢 - 山頂
世界遺産センター藤里館 - 杉林 - 落葉樹林帯のつづら折りの登山道 - 急登 - ベンチと植樹林の休憩所 - 急登 - 斜面をトラバース - 山頂

白神山地世界遺産センター藤里館では、高山登山のイベントも企画されています。

小高石館跡

高山の川向かい、一の渡集落の上の台地にある中世の館跡は、一の渡りの館と呼ばれています。尾根先端部にある曲輪は、急な斜面や空堀で守られた堅固な要害です。戦国時代には、高山仁平という武将が居を構えていたと伝えられています。

高山太鼓

和太鼓を用いた独特な演奏で、温泉で行われる温泉祭で披露されます。

脚注

参考文献

* 『藤里の歴史散歩』福司満

外部リンク

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