高岡電灯

高岡電灯株式会社について

高岡電灯株式会社は、明治時代の遅く、具体的には1903年に設立された日本の電力会社です。本社は富山県高岡市に位置し、北陸地域の電力供給を担う重要な役割を果たしました。この会社は設立から約38年間存在し、1941年に北陸合同電気と合併するまでその事業を展開しました。

設立と電力供給の始まり

高岡電灯は、1895年に高岡紡績が電気供給事業の許可を取得したのが契機となり、1903年7月20日に設立されました。当初は高岡紡績の設備を基にし、火力発電を行いながら地域に電力を供給しました。その後、1903年12月31日に本格的に電力供給を開始し、設立から数年の間に電灯の取付数も増加していきました。開業当初は643灯の電灯が取り付けられ、利用状況は徐々に広がっていきました。

事業拡大と配電会社化

1908年には、地域の電力需要の高まりを受け、高岡電灯は新たな発電所の建設には踏み切らず、発電能力を他社からの受電に頼る形に転換しました。この時期には富山電気からの受電契約を締結し、供給範囲が高岡以外にも広がりました。1910年には資本金も増資し、事業の拡大を図りました。さらに1919年には新たな発電会社である神通川電気が設立され、1924年にはこれを合併することで受電からの独立を達成しました。

合併と電力供給の拡大

1920年代には、企業の合併に積極的に取り組み、神通川電気、能州電気、北陸共同電気、石動電気の合併を通じて事業規模を拡大しました。この系列の合併により、高岡電灯は北陸地方での有力な電力会社としての地位を確立し、電灯数は急激に増加していきました。1929年にはついに20万灯を超え、電力供給倍率も増加していきました。

市営化問題と料金の見直し

一方で、1920年代を通じ、高岡電灯には料金値下げを求める市民の声が高まりました。市営化の動きもあり、市議会での調査により電灯市営化は非現実的とされ、最終的には企業側が市に寄付をする形で問題が一旦収束しました。これは、電力企業としての公共性への期待が反映された結果でもあります。

末期と合同への参加

1930年代には、自社水力発電の能力を増強しつつ、引き続き多くの需要家に電力供給を行っていました。しかし、1939年に日本発送電が設立され、全国的に小規模事業者の統合が進む中、高岡電灯も北陸合同電気への参加を決定しました。合併契約は1941年に締結され、その後北陸合同電気として新たな形で電力事業が継続されることとなりました。

結論

高岡電灯株式会社は、地域における電力供給に大きな役割を果たし、数々の合併を経て北陸合同電気となった企業であり、その歴史は多くの地元住民に影響を与えました。今日では高岡電灯が育んだ地元産業やインフラは、今も地域に息づいています。

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