高師駅

高師駅（たかしえき）

高師駅は、愛知県豊橋市高師町にある豊橋鉄道渥美線の駅で、駅番号は「6」が付与されています。渥美線の中でも特に重要な役割を担う駅の一つです。

概要

この駅は渥美線の運行上、主要な拠点としての機能を果たしています。駅構内には車両基地である豊橋鉄道車両区や乗務区が併設されており、車両の管理やメンテナンス、乗務員の交代といった業務が日常的に行われています。そのため、当駅で車両の交換が行われる列車も設定されています。また、終電近くには新豊橋駅から到着し、当駅で夜間留置となる列車も運転されています。駅には終日駅員が配置されており、利用者は時間帯を問わず対面での案内やサービスを受けることができます。駅舎の改札内側には、男性用トイレ、女性用トイレ、そしてバリアフリーに対応した「だれでもトイレ」が設置されています。

歴史

高師駅は、1924年（大正13年）1月22日に渥美電鉄の駅としてその歴史をスタートさせました。開業当初は終着駅でしたが、同年4月25日には師団口駅（現在の愛知大学前駅）との間が開通したことに伴い、途中駅となりました。その後、1940年（昭和15年）9月1日には名古屋鉄道との合併により、同社の渥美線に所属する駅となりました。さらに、1954年（昭和29年）10月1日には、豊橋鉄道への路線譲渡により、現在の豊橋鉄道の駅として運営されることになります。駅舎は、1970年（昭和45年）6月に鉄筋コンクリート造りの2階建ての建物として改築されました。近年の動きとしては、2011年（平成23年）2月11日には、ICカード乗車券「manaca」が導入され、利便性が向上しています。

駅構造

高師駅は地上駅であり、島式ホーム1面2線を持つ構造で、列車交換設備を備えています。ホームの中央付近、駅舎の改札口の真正面に階段が設けられていますが、列車同士の行き違い（交換）が行われる際には、安全上の理由からこの階段は利用できなくなります。その場合は、新豊橋駅寄りに設置されている別の階段を利用する必要があります。駅構内には、本線の他に引き込み線や、前述の車両基地、乗務区関連の設備が配置されています。

過去には、当駅から近隣のユニチカ豊橋工場への貨物輸送を担う引き込み線が敷かれていましたが、貨物輸送の廃止に伴いその用途を終えました。現在、この引き込み線の線路の大部分は撤去されていますが、駅に近い数十メートル分は撤去されずに残り、現在では車両の留置線として活用されています。また、この旧引き込み線の跡地の一部は、地域の憩いの場である高師緑地公園の一部として整備されています。

利用状況

当駅は、主に近隣住民の通勤や通学の手段として広く利用されています。朝夕のラッシュ時には多くの学生や会社員で賑わい、地域の重要な交通結節点となっています。

駅周辺

駅の周囲には広範な住宅地が広がっており、それに伴って小規模な商店も点在しています。生活に必要な施設が揃う地域です。駅の西側には、農業関連事業所の本社や、漬物に関する研究を行う施設が見られます。駅の北側には、広大な高師緑地が位置しており、市民の散策やレクリエーションの場となっています。その他の周辺施設としては、イノチオホールディングスの本社、スーパーマーケットのサンヨネ高師店、東海漬物の漬物機能研究所、高師老人福祉センター、大応寺などがあります。駅の近くには、主要幹線道路である国道259号線（田原街道）や愛知県道407号伊古部南栄線（野依街道）が通っており、車でのアクセスも比較的容易です。

その他

過去には、名古屋鉄道から譲り受けた7300系車両が渥美線で運行されていた時期がありました。この車両を用いた4両編成の列車では、編成の後ろから2両目の扉がホームの端からはみ出した位置で停車してしまうにも関わらず開扉されることがあり、利用者にホームにかからない旨の注意喚起が行われていました。さらに、ホームの三河田原方面側端はすぐに踏切に隣接しており、新豊橋行きの列車では踏切上で扉が開くという、現在では考えられないような危険な運用が見られた時期もありました。

また、現在の1800系車両（元東急7200系）が導入されて間もない頃、駅に隣接する車両基地で火災が発生し、夜間に留置されていた2両が被災するという出来事がありました。この被害に対し、駅構内の旧ユニチカ引き込み線跡地に部品取り用として留置されていた元東急7200系2両が急遽改造され、営業用車両として投入されたという経緯があります。

隣の駅

豊橋鉄道渥美線
南栄駅 (5) - 高師駅 (6) - 芦原駅 (7)

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