高廉

高廉の生涯と戦い

高廉（こう れん）は、中国の古典小説『水滸伝』に登場する人物で、四大奇書の一つに名を連ねています。彼は高俅の従弟であり、妻の弟には殷天錫が存在します。高唐州の知府を務める高廉は、戦において精鋭300名から成る部隊「飛天神兵」を指揮し、様々な武器を駆使して妖術を使うことができる人物です。

不穏な背景

高廉が高唐州に赴任してから、彼は従兄の高俅の権勢を利用し、自身の地位を確立していきました。義弟の殷天錫と共に贅沢な生活を送り、ある日、柴進の叔父である柴皇城の屋敷を奪おうとする彼に事件が起こります。殷天錫が柴皇城で李逵に襲撃され、命を落とすと、高廉は激怒し、柴進を拷問し監禁しました。この不当な行為に憤慨した梁山泊の頭領たちが集結し、高唐州へと向かうこととなります。

激闘の始まり

梁山泊の豪傑たちが高唐州に攻め込むと、高廉はすぐに飛天神兵を指揮して反撃に出ます。初戦では、高廉が送り出した将の于直と温文宝がそれぞれ梁山泊の将である林冲と秦明に簡単に敗れ去ります。しかし、高廉が宝剣を抜き出し呪文を唱えると、妖術による暴風が吹き荒れ、梁山泊の軍勢は動揺し、退却せざるを得なくなります。

次の日の戦いで、宋江は呉用から高廉の妖術の存在を知らされ、特別な法を用いて対抗しました。しかし、高廉もまた妖術を駆使し、猛獣や大蛇を呼び寄せ梁山泊の軍を襲わせます。形勢は逆転し、梁山泊の面々は再び引き上げることになります。

反撃と逆転

しかし、呉用は高廉が夜襲をかけてくると予測し、仲間たちに待機を指示しました。夜、高廉が妖術による暴風と共に攻撃してきた際、梁山泊の待ち伏せに遭い、彼自身も負傷してしまいました。

再びの攻撃を計画した梁山泊は、公孫勝の力を借りて高廉の城を襲うことにします。傷が癒えた高廉は城を出て再度反撃を試みますが、配下の将が次々と倒される中、高廉は再び妖術を使います。この時、公孫勝の呪文が効果を発揮し、高廉が召喚した妖獣たちは元の紙へと戻ってしまいました。敗北を喫した高廉は、再び夜襲を試みますが、待ち受けていた公孫勝の軍に包囲され、大きなダメージを受けます。

絶望の中で

高廉は最終的に東昌と寇州に援軍を求める使者を送るも、この行動は彼にとって致命的となりました。梁山泊は高廉の援軍を装って別の部隊を送り、高廉が出撃するとその策にかかり、見事に包囲されました。逃げようと試みるも、公孫勝の術に阻まれ、高廉は最終的に戦の敗北を喫します。

高唐州は陥落し、宋江は市民に手を出さぬように指示を出し、高廉の財産を押収します。高廉とその一族、40名あまりは市中で処刑されることとなり、その運命は絶望的なものとなりました。高廉の栄華と堕落、そして最期の様子は、『水滸伝』の中で強い印象を残す要素となっています。

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