高徳寺 (東京都港区)

高徳寺：歴史と人物の眠る港区の寺院

東京都港区に位置する高徳寺は、浄土宗に属する由緒ある寺院です。静寂な境内には、長い歴史と数々の物語が刻まれています。

創建と中興

高徳寺は天正7年（1579年）、晃誉上人無的和尚によって開山されました。その後、甲賀組に所属していた望月助之進ら7名によって寺は中興を迎え、新たな発展を遂げました。幾多の時代を乗り越え、今日まで人々の信仰を集め続けている様子がうかがえます。

著名な墓所

高徳寺には、歴史に名を残す様々な人物が眠っています。慶長5年（1600年）以降の過去帳が残されているため、多くの埋葬者の名前が記録されています。なかでも特筆すべきは、以下の3名です。

萬屋掌次郎: 江戸京橋南新堀の萬屋庄兵衛の次男で、留学生として海外に渡りました。明治3年（1870年）、アメリカで亡くなった彼の生涯は、時代の変遷を物語る貴重なものです。横浜に滞在していたアメリカ合衆国四番カピタンのレームの記録にもその名が記されています。
河内山宗春: 茶坊主として知られた河内山宗春は、死後、講談などの主人公として広く知られるようになりました。文政6年（1823年）に没した彼の物語は、人々の心に深く刻み込まれ、今も語り継がれています。
* 本康宗円: 幕府の医官を務めた本康宗円は、法眼の位にありました。その高い医学知識と社会的地位は、当時の人々の生活に大きな影響を与えていたと考えられます。

これらの著名な人物以外にも、多くの先人たちがこの地に眠り、静かに時の流れを見守っています。過去帳に記された数々の名前は、高徳寺の歴史と地域社会の変遷を物語る貴重な資料と言えるでしょう。

アクセス

高徳寺へのアクセスは大変便利です。東京メトロ銀座線 外苑前駅から徒歩わずか4分。都会の喧騒から離れた静かな場所に位置し、参拝客はやすらぎのひとときを過ごすことができます。

まとめ

高徳寺は、歴史と人々の記憶を静かにたたえる場所です。開山から現在まで続く歴史、そしてそこに眠る人々の物語は、訪れる者に深い感動を与えてくれるでしょう。都会の喧騒の中にあって、静寂と歴史を感じることができる貴重な場所として、高徳寺はこれからも多くの人々に愛され続けることでしょう。

参考文献：東京市赤坂区 編『赤坂区史』東京市赤坂区、1942年

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