高木俊輔 (史学者)

高木 俊輔について

高木 俊輔（たかぎ しゅんすけ、1939年9月15日生まれ）は、日本の歴史学者であり、その専門は日本の明治維新に関連する歴史研究です。静岡大学や信州大学、さらに国文学研究資料館で教授として多くの学生を指導し、学問への貢献が評価されています。特に、彼の研究は明治維新における草莽運動の重要性を掘り下げたもので、数々の著書を通じて広く知られるようになりました。

学歴とキャリア

高木は長野県の諏訪郡長地村（現在の岡谷市）で生まれ、長野県諏訪清陵高等学校を経て1962年、公立の東京教育大学（現・筑波大学）文学部の史学科を卒業しました。その後1970年に同大学院の博士課程を単位取得退学し、静岡大学人文学部に講師として招聘されました。1971年には助教授に昇進し、その後1973年より信州大学で助教授として歴史学を教えました。

1976年には、「明治維新草莽運動史」により文学博士の学位を取得します。1984年からは信州大学の教授職に着任し、1994年からは国文学研究資料館で教授として勤務。その後、1998年から2000年まで同資料館の館長を務め、定年退官後は名誉教授として活動を続けました。また、立正大学でも教授職につき、2010年に退職しました。

高木は2019年に春の叙勲で瑞宝中綬章を受章するなど、学問に対する貢献が広く認められています。

研究・著作

高木の著作は数多く、明治維新に関する学術書から一般向けの書籍まで幅広いジャンルを含みます。代表的な著書には、1970年に発表された『維新史の再発掘 相楽総三と埋もれた草莽たち』や、1974年の『明治維新草莽運動史』などがあります。これらの作品は、明治維新期の草莽たちの活動の重要性を再評価し、その影響を考察したものです。

1976年に刊行した『幕末の志士 草莽の明治維新』は、幕末の志士たちと彼らが果たした役割に光を当て、1979年の『ええじゃないか』では、この時期の社会的背景や文化についても分析しています。

1985年に発表した『それからの志士 もう一つの明治維新』は、志士たちの視点から新たな明治維新の理解を促す内容となっており、読者から高い評価を得ています。1996年の『伊那県時代 飯島陣屋から伊那県庁へ』や、1998年の『『夜明け前』の世界 「大黒屋日記」を読む』も、地域の歴史を深く掘り下げた重要な作品です。

また、近年の著作には、2011年の『明治維新と豪農 古橋暉皃の生涯』、2013年の『近世農民日記の研究』、2022年の『戊辰戦争と草莽の志士 切り捨てられた者たちの軌跡』があります。

共編著

高木は個人作業だけでなく、共編著としても数多くの歴史に関する書籍を手掛けています。1972年の『維新変革における在村的諸潮流』や、2000年の『日本近世史料学研究 史料空間論への旅立ち』、さらには2003年の『伊那・木曾谷と塩の道 街道の日本史』など、多様な年代やテーマにわたっています。

高木俊輔は、その学問の幅広さと深さだけでなく、歴史研究の発展に寄与した功績により、現代日本史研究の重要な人物として位置づけられています。

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