高木凛

高木 凛（たかぎ りん）について

基本情報
高木凛（本名：堀川光子）は1947年7月31日生まれの日本の脚本家およびノンフィクション作家で、東京都に籍を置いています。彼女は、その夫でテレビドラマの演出家やプロデューサーでもある堀川とんこうとの関係を大切にしています。彼女は日本脚本家連盟に所属しており、数々の受賞履歴を有しています。

来歴

高木の創作活動は、児童書の出版社での経験からスタートしました。1980年代後半には、テレビシナリオのコンペティションに入選したことで、自らの作家活動を本格化させました。「鳩のいる風景」という作品で新人テレビシナリオコンクール、そして「ひかり」で城戸賞を受賞し、これが彼女の転機となりました。彼女はテレビドラマだけでなく、ラジオドラマでも脚本を手掛け、多数の作品を生み出しました。

『黄色い髪』や『否認』『息子よ』など、様々な題材に取り組み、特に『父系の指』では1994年度のギャラクシー賞大賞を獲得しました。彼女はまた、沖縄を訪れた際にその風土に心惹かれ、赤坂に沖縄食材を使った懐石料理店「赤坂潭亭」を開くことにもなります。この店舗では、沖縄の食文化を生かした多様な料理が提供され、多くの人々に愛されたことでしょう。

高木はその後も精力的に作品を発表し続け、テレビやラジオドラマだけでなく、ノンフィクションにも力を入れました。特に『湖に佇つ人』やラジオドラマの『夢見た旅』などは高い評価を受けました。また、2010年には『田辺元・野上弥生子往復書簡』という作品を執筆しました。

2004年からは、雑誌『毎日が発見』にてシャンソン歌手・石井好子へのインタビュー連載を開始し、「生きるということ」、「食べるということ」といったテーマで展開しました。この中で、彼女は照屋敏子という女性の生き様に強い興味を抱き、戦前から復帰までの足跡を追い続けました。

2008年には照屋敏子をテーマにした著作『沖縄独立を夢見た伝説の女傑 照屋敏子』を出版し、これが第14回小学館ノンフィクション大賞を受賞しました。この作品により、沖縄の自立に向けた彼女の功績が再認識されました。さらに、『大琉球料理帖』も話題を呼び、琉球の古書を基にした独自の料理観を展開しましたが、レシピが含まれていないことから逆に、その内容が琉球文化の深さを表すものとなりました。

彼女の仕事は多岐にわたり、文化的な視点を持った作品が多く見られるのが特徴です。2013年には、浮世絵版画の技術が消失しつつあるという危機感から『最後の版元―浮世絵再興を夢みた男・渡邊庄三郎』を上梓し、新しい視点での浮世絵研究を展開しました。

私生活

近年、高木は湯河原に移り住み、2018年には夫と共に「カフェレストラン宮上倶楽部」を開店しました。しかし、2020年に夫が亡くなった後は、その後の活動が制限され、2023年に療養のために「宮上倶楽部」を閉店することとなりました。彼女の人生は、創作活動を通じて常に文化を追求し続けるものであり、その影響は多くの人々に色濃く残ることでしょう。

主な受賞歴

• - 第12回城戸賞入選（1986年）
• - 第25回テレビシナリオコンクール入賞（1986年）
• - 第32回ギャラクシー賞大賞（1995年）
• - 第46回文化庁芸術選奨芸術作品賞（1996年）
• - 第52回文化庁芸術祭優秀賞（1997年）
• - 第14回小学館ノンフィクション大賞（2007年）

主な作品

脚本

• - 教室（TBS、1989年）
• - 黄色い髪（NHK、1989年）
• - 息子よ（TBS、1989年）
• - 否認（NHK、1994年）
• - 父系の指（TBS、1995年）
• - 夫婦善哉（テレビ東京、1995年）
• - 結婚はいかが？（NHK、1996年）
• - パイパテローマ（NHK FMラジオ、1997年）

著書

• - 『沖縄独立を夢見た伝説の女傑　照屋敏子』（2007年）
• - 『最後の版元―浮世絵再興を夢みた男・渡邊庄三郎』（2013年）
• - 『大琉球料理帖』（2009年）
• - 『大琉球料理帖　英文版』（2020年）

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