高橋憲幸

高橋 憲幸（たかはし のりゆき）

1971年2月25日、群馬県高崎市に生まれた高橋憲幸は、変則的な投球フォームとスクリューボールを武器にプロ野球で活躍した元投手です。彼の野球人生は、高校、社会人、そしてプロ野球と、各年代で確かな実績を残しています。

アマチュア時代の実績

拓大紅陵高等学校時代には、後にプロ入りする和田孝志投手と共に投手陣の柱を担いました。特に1988年の夏の甲子園大会では、エースとしてチームを牽引。2回戦で松山商業高校を下すも、3回戦で浜松商業高校に惜しくも敗れましたが、その投球は注目を集めました。

高校卒業後、社会人野球の名門、日本石油に入社。ここでも投手陣の中心選手として活躍します。1995年の都市対抗野球大会では、春田政勝投手と共に快進撃を見せ、NKKとの決勝戦で勝利投手となり、チームを優勝に導きました。この大会での顕著な活躍が認められ、最優秀選手に贈られる橋戸賞を受賞。社会人野球界での最高峰の栄誉を手に入れ、プロ野球からの注目度をさらに高めました。そして、1996年のドラフト会議で、日本ハムファイターズから5位指名を受け、プロの門を叩きました。

プロでの挑戦

1997年に日本ハムに入団すると、ルーキーイヤーから中継ぎ投手として一軍の舞台に立ちました。変則フォームから繰り出すスクリューボールは打者のタイミングを外し、早くもこの年47試合に登板し、ブルペンの重要な一角を担います。特に印象深いのは、4月22日にプロ初勝利を挙げた試合から、チームが3連続でサヨナラ勝ちを収めた際に、彼自身もその間に2勝をマークしたことです。この年は早くもプロとして順調なスタートを切りました。

その後も中継ぎとして安定した投球を見せ、2001年にはキャリアハイとなる59試合に登板。しかし、同年4月26日の対ダイエー戦では、トニー・ミッチェルへの死球をきっかけに乱闘騒ぎが発生し、チームメイトの金子誠選手が顔に怪我を負うという出来事もありました。

2002年には登板機会が減少したものの、翌2003年には再び復調を見せます。しかし、2004年4月、買い物の途中に自転車で転倒するという不慮の事故に見舞われ、左頬骨骨折と左鎖骨脱臼という重傷を負ってしまいました。この怪我の影響で、この年の登板はわずか10試合に留まり、その後の野球人生にも暗い影を落としました。2005年には一軍登板がなく、シーズン終了後に球団から戦力外通告を受け、現役引退を決意しました。

引退後のキャリア

現役引退後も、高橋氏は野球界に貢献し続けています。2006年には、日本ハム時代の同僚で同学年であり、当時中日ドラゴンズの監督を務めていた落合博満氏との縁もあり、中日ドラゴンズで打撃投手を務めました。翌2007年からは、古巣である社会人野球の新日本石油ENEOS（現・JX-ENEOS）で投手コーチとして、後進の指導にあたりました。

2014年11月には、再びプロ野球界へ。北海道日本ハムファイターズの二軍投手コーチに就任し、若手投手の育成に尽力。2018年からは一軍投手コーチに配置転換され、チームの投手陣を支えました。2020年からはアマスカウト担当として、将来有望な選手の獲得に携わっています。

記録と背番号

プロ野球での主な初記録は以下の通りです。

初登板：1997年4月5日 対千葉ロッテマリーンズ戦（東京ドーム）
初奪三振：1997年4月13日 対近鉄バファローズ戦（大阪ドーム）
初勝利：1997年4月22日 対福岡ダイエーホークス戦（東京ドーム）
初セーブ：2000年8月19日 対西武ライオンズ戦（香川県営野球場）

プロ在籍中の背番号は以下の通りです。

14 （1997年 - 2000年）
42 （2001年 - 2005年）
100 （2006年、中日打撃投手）
74 （2015年 - 2019年、日本ハムコーチ）

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