和田孝志

和田 孝志

埼玉県春日部市に生まれた和田孝志氏は、1970年10月7日生まれの元プロ野球投手です。現役引退後は多様なキャリアを歩み、現在は母校の野球部を率いています。

アマチュア時代

拓殖大学紅陵高校では、エース格として高橋憲幸氏と共に投手陣を牽引しました。しかし、肩の故障により3年時には控えに回る経験もしています。1988年夏の全国高等学校野球選手権大会には野手（一塁手）として出場し、2回戦で松山商業を下しましたが、3回戦で浜松商業に惜しくも敗退しました。高校時代の2学年上には飯田哲也氏と佐藤幸彦氏がおり、佐藤氏とはプロの世界で再びチームメイトとなりました。

東洋大学へ進学後も野球を続け、東都大学野球リーグで活躍を見せます。特に2年生だった1990年春季リーグでは、優勝校である亜細亜大学の4年生エース、小池秀郎氏を相手に、リーグ史上10人目となるノーヒットノーランという歴史的な快挙を達成しました。続く1991年春季リーグでは、当時のリーグMVPに輝いた1年生の銭場一浩氏と共に投手陣の中心となり、チームをリーグ優勝へと導きました。しかし、直後の全日本大学選手権では2回戦（初戦）で佛教大学に敗れるという波乱も経験しています。東都大学リーグでの通算成績は、49試合に登板し14勝15敗、防御率は2.68、172個の三振を奪いました。大学のチームメイトには、1学年上に桧山進次郎氏、徳田吉成氏が、1学年下にに関口伊織氏が、3学年下には清水隆行氏、川中基嗣氏、塩崎真氏（後に中退）らがいました。

プロ野球選手として

大学卒業後、1993年のNPBドラフト会議で千葉ロッテマリーンズから3位指名を受け入団。プロ入り時の背番号は「26」でした。プロ入り後は二軍での調整期間が長かったものの、1995年にはアメリカの1Aリーグ、バイセイリア・オークスへの野球留学も経験しています。

念願の一軍デビューは1996年。同年9月7日、グリーンスタジアム神戸で行われたオリックス・ブルーウェーブ戦に救援登板し、プロ初登板を果たしました。この試合で高田誠氏からプロ初奪三振も記録しています。プロ初先発は2000年8月6日の大阪近鉄バファローズ戦（大阪ドーム）で、6回を2失点の内容でした。プロ初勝利は同じく2000年8月29日、千葉マリンスタジアムでの福岡ダイエーホークス戦で、リリーフとして3回2/3を無失点に抑え、勝利投手となりました。

プロキャリアのピークは2000年と2001年でした。2000年には主に中継ぎとして21試合に登板し、翌2001年には自己最多となる38試合に登板するなど、チームに貢献しました。しかし、2002年は登板機会が減少し、この年限りで現役生活に別れを告げました。

引退後の歩み

現役引退後、和田氏はすぐに千葉ロッテマリーンズのチームスタッフとして球団に残りました。2003年には背番号111をつけ、スコアラー、打撃投手、査定といった多岐にわたる裏方業務に携わります。チームがボビー・バレンタイン監督の下、2005年に日本一を達成する瞬間も経験しましたが、同年限りで球団を離れる決断をします。

球界を離れた和田氏は、新たなキャリアとして飲食業の道を選びました。H・Iグループ（社長は石井浩郎氏）での経験を経て、2007年6月には東京都渋谷区の宮益坂に、自身の和食ダイニング「美醤（びしょう）」を開業しました。また、この時期には野球用品メーカーであるハタケヤマのスーパーバイザーとしても活動しています。

その後、再び野球界との関わりを持ちます。2009年には古巣・千葉ロッテマリーンズに戻り、背番号82をつけて二軍投手コーチ補佐を務めました。

そして2019年8月7日、自身が青春時代を過ごした母校、拓殖大学紅陵高校野球部の監督に就任。指導者として、後進の育成に情熱を注いでいます。

記録・背番号

初登板・初奪三振: 1996年9月7日 対オリックス・ブルーウェーブ戦（グリーンスタジアム神戸）
初先発: 2000年8月6日 対大阪近鉄バファローズ戦（大阪ドーム）
初勝利: 2000年8月29日 対福岡ダイエーホークス戦（千葉マリンスタジアム）

背番号:
26 （1993年 - 2002年）：選手時代
111 （2003年）：球団スタッフ時代
* 82 （2009年）：二軍投手コーチ補佐時代

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