高橋新五郎

高橋新五郎（二代目）：塚越結城織の祖

高橋新五郎（たかはし しんごろう、2代目、寛政3年1月5日（1791年2月7日）- 安政4年6月25日（1857年8月14日））は、幕末期に活躍した実業家であり、塚越結城織の祖として知られています。

生い立ちと家業

武蔵国足立郡塚越村（現在の埼玉県蕨市）に生まれ、幼名を国太郎と名付けられました。父である初代高橋新五郎（1766年 - 1816年）は、高橋家の四代目として、木綿や錦糸を扱う糸商人として、足利や青梅など織物業が盛んな地域に糸を供給していました。

織物業への貢献

二代目新五郎は、父の跡を継ぎ高橋家五代目当主となると、文政年間（1824年～1825年頃）に織機である高機を改良し、青縞の生産を開始しました。1826年には、夢に東照大権現が現れ「東屋」という名を授かったのを機に、これを商号としました。その後、生産規模を拡大し、天保年間（1837年）には機台数102台（一説には120台）、藍甕数130本（一説には300本余）という規模にまで事業を拡大しました。この規模は、幕末期におけるマニュファクチュアの事例として特筆されます。

1840年には、息子である三代目新五郎に家督を譲り、隠居して数馬と名を変えました。

没後の顕彰

没後、新五郎は妻とともに機祖神社に祀られました。さらに、その功績が認められ、1924年には従五位を追贈されています。現在は、塚越稲荷神社内の機神社に祀られています。

子孫の活躍

三代目新五郎は、塚越結城に絹糸を交織した東屋唐桟を開発し、文久元年（1861年）には輸入綿糸による双子縞（塚越双子）を考案しました。また、四代目新五郎も、双子縞（塚越双子、埼玉双子、東京双子）を開発したとされています。

高橋新五郎（二代目）の功績は、塚越結城織の発展に留まらず、日本の織物業全体に大きな影響を与えました。その革新的な技術と経営手腕は、後世に語り継がれています。

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