高橋潤二郎

高橋潤二郎（たかはし じゅんじろう）は、1936年2月5日に神奈川県で生まれ、2013年3月22日に77歳で亡くなった日本の経済学者、地理学者です。慶應義塾大学の名誉教授であり、その学術的な業績と多岐にわたる活動で知られています。

学歴と職歴

高橋氏は1958年に慶應義塾大学経済学部を卒業後、1963年に同大学院経済学研究科の博士課程を修了しました。その後、1966年に慶應義塾大学経済学部の助教授に就任し、1975年には教授に昇進しました。1990年には新設された環境情報学部の教授となり、1993年には慶應義塾の常任理事に選出されました。2001年に定年退任し、名誉教授の称号を授与されました。

大学での教育・研究活動の傍ら、森ビル株式会社の特別顧問やアカデミーヒルズの理事長、顧問も務めました。また、1977年には地域開発研究所の所長も兼任し、地域開発にも貢献しました。

専門分野

高橋氏の専門分野は、数理・計量地理学と地域開発です。経済学の知識を地理学に応用し、都市や地域の開発に関する研究を行いました。特に、定量的なデータに基づいた都市プロジェクトや開発プロジェクトで、伊藤滋氏らと共に活躍しました。

人物像

高橋氏は、慶應義塾大学の教員として長年勤めましたが、従来の経済学者の枠にとらわれない自由な発想を持っていました。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス（SFC）の設立に尽力し、自らも環境情報学部で教鞭を執りました。型にはまらない個性的な人物で、サングラスをかけて教壇に立つこともあったそうです。また、乗馬部で活動したり、詩や現代音楽を好むなど、文化的な側面も持ち合わせていました。

デジタル化にも関心が高く、グーテンベルグ・プロジェクトにも参加しましたが、一方で、井筒俊彦氏の本棚をそのまま残すように提言するなど、古いものを大切にする一面もありました。

著書

高橋氏は、数多くの著書を執筆しました。

『斜陽都市 あなたのマチは生きのこれるか』光文社、1971年
『三越三百年の経営戦略 その時経営者は何を決断したか』サンケイ新聞社出版局、1972年
『抽象的地表の原理 地理学の理論化への挑戦 高橋潤二郎論文集』古今書院、2001年
『鑑賞経営寓句』慶應義塾大学出版会、2009年

また、共編著として以下の書籍があります。

『経済立地論の新展開』勁草書房、1973年
『四全総は日本を変えるか』大明堂、1988年
『知的キャンパスのプラニング 慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の実践』日科技連出版社、1996年

さらに、以下の翻訳書があります。

『エコノミック・チャレンジ : 現代経済五つの危機』ティビーエス・ブリタニカ、1981年


高橋潤二郎氏は、経済学、地理学の分野で優れた業績を残し、慶應義塾大学の発展に貢献した人物として、多くの人々に記憶されています。

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