高橋英辰

高橋 英辰（たかはし ひでとき）

高橋英辰は、1916年4月11日に福島県福島市で生まれ、2000年2月5日に亡くなるまでの生涯、サッカー界に多くの影響を与えた選手兼指導者です。高橋は日本サッカーの発展に貢献し、2009年には日本サッカー殿堂入りを果たしました。

選手時代

彼のサッカー歴は幼少期に始まりました。刈谷町立亀城小学校4年生の時にサッカーを始め、その後愛知県刈谷中学校から早稲田高等学院を経て早稲田大学に入学。在学中はア式蹴球部に所属し、サッカーの技術を磨いていきました。1936年のベルリンオリンピックに日本代表として出場予定であった彼は、大学卒業直前に開催が予定された1940年の東京オリンピックが中止になったため、国際試合での活躍はかなわなかったものの、1941年には日立製作所茨城サッカー部に入団し、明治神宮競技大会で準優勝を果たしました。高橋は、ポジショニングが優れ、正確なパスプレイでチームを引っ張った選手として知られています。

1947年には日立へ転属し、1955年には母校である早稲田大学の監督に就任しました。彼は、八重樫茂生や川淵三郎らの指導を通じて関東大学リーグで連続優勝を達成し、名将としての地位を確立しました。

指導者からのキャリア

高橋英辰は1957年に日本代表の監督に任命され、中国遠征を指揮しましたが、この時期は国際Aマッチが行われなかったため、監督としての評価には賛否が分かれることとなります。1958年にはユース代表の監督に就くと、AFCユース選手権1959では優勝こそ逃したものの3位を獲得し、その後1960年には正式に日本代表監督に就任しました。

1976年には日立製作所の監督職を退任し、その後は日立のゼネラルマネージャーとして活動。1979年から1985年までJSLの総務主事を務め、日本サッカー協会の独立を推進するなど改革の中心にもなりました。さらに、1986年にはFIFAワールドカップの取材を行い、翌年には著書『神様はサッカー特派員』を出版し、サッカー界の新たな側面に焦点を当てました。

小さなサッカークラブ「ロク・フットボールクラブ」を設立し、若手選手の育成に努めた高橋は、1987年からNTT関東サッカー部での顧問や、1993年からはJリーグの初代技術委員長としても活躍し続けました。

最後に

高橋英辰は2000年に肺炎により亡くなり、その後のサッカー界に大きな足跡を残しました。生涯にわたりサッカーの発展に寄与し続けた彼の情熱と指導者としての姿勢は、今も多くの人々に支持されています。彼の愛称「ロクさん」は父の髪型に由来し、彼自身の存在がサッカー界にどれだけの影響を与えたのかを示す象徴的な別名となりました。高橋英辰の業績と情熱は、これからも日本サッカーの歴史に刻まれ続けることでしょう。

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