高津慶子

高津 慶子について

高津慶子（たかつけいこ、本名：池田本子）は1912年2月13日、大阪府に出生した日本の女優です。彼女の映画界での活動は昭和初期に集中し、多くの印象的な作品に出演しました。高津は舞台から映画にかけて幅広く活躍し、その華やかな存在感と演技力で多くのファンを魅了しました。

来歴と経歴

高津は1918年に家族と共に東京に移り住み、そこから舞踊の勉強を始めます。1927年に大阪松竹楽劇部に入り、舞台デビューを果たしました。その後、1929年には帝国キネマに転職し、映画デビューを果たすこととなります。彼女の初主演作品「恋のジャズ」では、すぐにその実力を発揮しました。

特に注目されるのは、鈴木重吉監督の「何が彼女をさうさせたか」です。この作品で高津は中村すみ子役に抜擢され、社会の厳しさに翻弄される少女を演じて大きな話題を呼びました。この映画は大ヒットし、「何が○○をさうさせたか」というフレーズは広く知られるようになりました。

その後、新興キネマに所属し、続編「何が彼女を殺したか」でも再び中村すみ子役を演じ、社会への関心を持たせる内容での主演が続きました。しかし、彼女の制作活動には余り恵まれず、1932年には健康上の理由から退社を決意しました。

退社後は片岡千恵蔵プロダクションに入社。短い期間ではありましたが、ここでも数々の作品に出演し、特に稲垣浩監督とタッグを組んだ「時代の驕児」などで印象的な演技をみせました。

1935年には再び新興キネマに戻り、数本の作品に出演しますが、メロドラマが主流であるこの時期には、高津の個性を生かすことができない制作環境に苦しみます。最終的には脇役としての出演が多くなり、徐々に彼女の存在感は薄れていくことになります。

私生活と晩年

1934年には俳優の河津清三郎と結婚し、彼との関わりの中で現代劇の革新を試みましたが、実現することはありませんでした。その後、戦争の影響もあり、1941年には離婚を迎えます。戦後も少々映画に出演しましたが、1961年には原功監督による「太陽を射るもの」に助演して以降、その後の消息は不明となっています。

高津慶子の映画におけるキャリアは、彼女の演技力や魅力の評価を生み出した一方で、戦争や社会の流れに影響される中での苦悩もあったことでしょう。彼女の存在は、昭和初期の日本映画界における一つの重要な側面を形作るものでした。今後の映画史の中でも高津の名は語り継がれることでしょう。

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