高津聖志

高津聖志について

高津聖志（たかつ きよし）は、1944年11月16日に中華民国で生まれました。1歳の時に帰国し、日本の長野県塩尻市で幼少期を過ごしました。彼は1963年に長野県松本深志高等学校を卒業し、その後1967年に富山大学薬学部を卒業しました。1973年には大阪大学大学院医学研究科で医学博士の学位を取得し、論文のテーマは「抗ハプテン抗体産生における細胞間協同作用に及ぼす抗体の影響」でした。彼はJohns Hopkins University School of Medicineでポスドクとしての経験を積みました。

彼のキャリアは大阪大学医学部での助手から始まり、1978年には同大学の腫瘍発生学部門の助教授に昇進しました。その後、1982年には熊本大学医学部免疫生物部門の教授に就任し、1991年には東京大学医科学研究所の免疫学部門の教授に移りました。1998年から2003年の間は東京大学医科学研究所の副所長を務め、さらに2000年には感染・免疫部門の免疫調節分野の教授としても活躍しました。2007年からは富山大学大学院医学薬学研究部の免疫バイオ・創薬探索研究講座の客員教授として、後進の指導にも力を入れています。

高津は特にB細胞の研究において顕著な業績を挙げており、アレルギー反応を抑えるインターロイキン-5（IL-5）とその受容体の同定において、本庶佑と共同で重要な成果をあげました。この研究は、B細胞や免疫系の細胞の動きを理解する上で基盤となり、彼の名前は世界中で知られるようになりました。

彼の業績は、数々の賞によって評価されています。1992年には持田記念学術賞、2003年には野口英世記念医学賞、2007年にはパウル・エールリヒ賞を受賞しました。また、2018年にはバイオインダストリー大賞、2023年には紫綬褒章を授けられるなど、数々の栄誉が彼の名声を裏付けています。

また、彼は教育者としても著名であり、幾つかの著書を共著しています。「抗体実験マニュアル」や「タンパク質研究のための抗体実験マニュアル」、「免疫研究の基礎技術」といった著作は、数多くの研究者にとって貴重な資源となっています。

総じて、高津聖志は日本の免疫学界における重要な人物であり、今後の免疫研究や教育においてもその影響が続くことが期待されます。

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