高田浩吉

高田 浩吉

高田浩吉（たかだこうきち、1911年11月7日 - 1998年5月19日）は、日本の映画界と音楽界において重要な役割を果たした俳優および歌手です。本名は梶浦武一（かじうらたけいち）で、彼は兵庫県川辺郡園田村（現在の尼崎市）で生まれました。戦前の松竹映画における時代劇スターとして知られ、特に「歌う映画スター」として名を馳せました。彼の家族も芸能界に関わる者が多く、次女は女優の高田美和であり、孫には俳優の大浦龍宇一がいます。

来歴とキャリア

高田は1926年に大阪商業学校を中退し、松竹京都撮影所に入社。彼は長谷川一夫、坂東好太郎と共に「松竹下加茂三羽烏」として知られました。その後、トーキー映画の波が訪れると、彼は関西弁を標準語に変えるため、小唄のサークルに参加。その結果、1935年にリリースした『大江戸出世小唄』で歌手デビューを果たし、映画と音楽の両方で大きな反響を呼びました。

その後、第二次世界大戦の影響でレコード活動は減少しましたが、彼は自身の劇団を立ち上げ地方を巡業。戦後は1951年に美空ひばりと共演した映画で復帰し、再び映画界での活躍を始めました。1953年に『伊豆の佐太郎』で再び歌手として名を馳せ、その後も48歳という年齢で人気時代劇『伝七捕物帖』シリーズに出演し、再起を果たしました。

音楽およびテレビ活動

高田は1950年代からの懐メロブームにも関与し、テレビ番組やラジオ番組で活躍しました。特にNHKの紅白歌合戦には2回出演し、その美声は多くの人々に親しまれました。また、1960年に松竹を退社し、第二東映に移籍。ここでは主演スターとして多忙に活動しましたが、作品の質低下による人気の陰りが見え始めました。その後、テレビや舞台に重心を移し、多くのドラマに出演します。

高田は酒と煙草を控え、常に美しい姿を保つために努力を惜しまなかったことでも知られ、多忙な中でも自身の美意識を保ち続けました。そのため、徹夜の仕事を強いられることがあっても、その姿勢は変わりませんでした。また、京都を愛し、死去までそこに住み続けました。

私生活と晩年

私生活では、1980年代には高田美和の離婚や様々な騒動が報じられ、話題に。さらに、商法に絡む訴訟問題も経験し、注目を浴びました。1988年には京都市から文化功労者として表彰され、1990年には勲四等瑞宝章を受章します。

1998年5月19日、高田は肺炎により京都でこの世を去りました。享年87歳。彼の存在は日本のエンターテイメント界に大きな影響を与えた記念碑的な人物であり、その業績は今なお多くの人々に愛されています。彼が出演した映画や歌は、今日でも多くの人に親しまれ、彼の芸術的な遺産として語り継がれています。

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