高知松山自動車道

高知松山自動車道の概要

高知松山自動車道（こうちまつやまじどうしゃどう）は、高知県吾川郡いの町の枝川ICから始まり、愛媛県松山市の松山ICに至る地域高規格道路です。この道路は、国道33号の持つ様々な課題を解決するために計画されました。地域間の交流や連携を促進する目的があり、高知市と松山市を結ぶ重要な交通路として位置付けられています。

現行の国道33号は、都市間の重要な動脈ですが、主要な部分が山間部を通っているため、様々な問題が存在します。特に冬季には積雪や凍結による通行の危険が増し、台風の時期には降雨による通行制限も発生します。高知松山自動車道が整備されることにより、これらの危険個所が解消され、両都市間の移動時間短縮が期待されます。加えて、山間部に住む人々の緊急医療施設へのアクセス改善も見込まれています。

この地域高規格道路は通常、自動車専用道路とされていますが、2003年に一部の規定が緩和され、一般道路としての整備も可能となりました。そのため、高知松山自動車道の一部区間は一般道路として設計されています。とはいえ、安全性を確保するために、歩道と車道は他の一般道路とは異なり、安全柵などでしっかりと分離されています。

歴史

高知松山自動車道の整備の歴史は1994年に始まり、いくつかの重要なマイルストーンを経て現在に至ります。

• - 1994年：地域高規格道路としての計画路に指定される。
• - 1995年：越知道路の野老山地区と三坂道路が整備区間に指定。
• - 1997年：松山南道路の松山IC付近と森松間が開通し、伊野ICから枝川IC間の高知西バイパスも開通。
• - 1999年-2000年：高知西バイパスや越知道路の整備が進み、調査区間が次々と指定される。
• - 2004年-2007年：野老山トンネルや三坂道路のトンネルが貫通し、徐々に開通していく。
• - 2012年-2021年：高知西バイパスの節目となる区間が続々と開通し、地域の交通網が充実。
• - 2023年：越知道路の一部バイパス区間が延長される。ここまでの整備で、国道33号の最大の難所である三坂峠や線形不良地区が優先的に整備されています。

現在の開通状況

現在、開通している区間の詳細は以下の通りです。

• - 高知西バイパス第2期区間：枝川ICから波川間、道路規格第4種1級、設計速度60 km/h、片側1車線（暫定）で計画交通量は33,800台/日。
• - 越知道路：事業延長4 kmの内、野老山地区の1 kmと2工区の3 kmは第3種第2級、設計速度60 km/hで片側1車線（歩道あり）です。
• - 三坂道路：第1種第3級の道路規格、7.6 kmの事業延長を持ち、設計速度は80 km/hで計画交通量は8,900台/日。

主な構造物

• - 野老山トンネル：340 m
• - 三坂第1トンネル：3,097 m
• - 三坂第2トンネル：1,300 m
• - 新仁淀川橋

高知松山自動車道は、地域高規格道路としての機能を果たし、交通の便を向上させるだけでなく、地域活性化にも貢献しています。今後のさらなる整備と発展が期待されます。

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