高知県競馬組合

高知県競馬組合：地方競馬を支える歩みと未来

高知県競馬組合は、高知県と高知市によって構成される一部事務組合です。高知競馬場の運営を担い、地方競馬の発展に貢献しています。1967年の設立以来、組合は数々の試練と成功を経験し、現在に至ります。

組合の設立と発展

組合は1967年12月、高知県、高知市、そして周辺自治体によって設立されました。しかし、1969年には高知県と高知市以外の自治体の開催権が消滅し、現在の体制となります。

1970年代には、外厩制度の禁止などを背景に、高知市長浜地区への競馬場新設が決定。1975年には、新競馬場建設のため、財団法人高知県競馬施設公社が設立されました。そして1985年、桟橋競馬場が廃止され、新たな競馬場が開設されました。同時に、場外サービスセンターも開設され、競馬の普及に努めました。

その後も、場外サービスセンターの改築・移転や、新たな場外サービスセンターの開設などを経て、競馬場の運営体制を整備してきました。

危機と再生

組合は、2003年には88億円もの負債を抱える深刻な経営危機に陥りました。新競馬場建設費用や、競馬場跡地の売却代金で支払いきれなかった費用、そして景気低迷やアラブ競馬縮小による売り上げ不振などが原因でした。

しかし、この危機を乗り越えるため、組合は負債の清算、餞別金制度の廃止、そして黒字経営の達成を条件に、存続が認められました。連敗馬として話題となったハルウララも、一時的に危機を脱するきっかけとなりました。

経営再建のため、組合は賞金や各種手当の削減など、厳しい財政再建策を実施しました。また、ダートグレード競走・黒船賞の開催や、インターネット投票の導入など、新たな取り組みにも挑戦しました。

2008年には赤字に転落するも、財政調整基金を充当することで存続を認められました。しかし、財政調整基金残高も少なく、廃止の危機が続く中、JRAのIPATでの地方競馬発売開始、夜さ恋ナイターの実施、人気イベントの開催などによって、インターネット投票による売上高が大幅に増加。

再成長と未来への展望

2016年には、過去最高の売得金（253億3177万4200円）を達成。その後も売上高は増加を続け、重賞競走の賞金も大幅に回復しました。2021年には、1日の売上レコードを何度も更新するなど、組合は新たな成長ステージへと進みました。

高知競馬は、年間優秀な成績を収めた馬を表彰する制度も設け、競馬界への貢献を続けています。しかし2024年には、落馬事故により所属騎手の塚本雄大さんが殉職するという痛ましい事故が発生しました。

組合は、過去の歴史と経験、そして現在の成功を踏まえ、地方競馬の活性化に貢献し、より安全で魅力的な競馬場を目指し、未来へ向けて歩みを進めています。その取り組みは、地方競馬の未来を担う重要な役割を担っているといえるでしょう。

脚注

具体的な数値や名称などは、資料に基づき記述しています。
参考文献：「競馬対策課『高知競馬』という仕事」

もう一度検索