高碕達之助

高碕達之助 - 日本の政治家・実業家

高碕達之助（たかさき たつのすけ、1885年2月7日 - 1964年2月24日）は、日本の政治家および実業家として知られています。彼は満洲重工業開発株式会社の副総裁や第2代総裁を務め、電源開発の初代総裁、また通商産業大臣や初代経済企画庁長官など、多くの重要なポストを歴任しました。彼の業績は日本の経済や政治に多くの影響を与え、特に水産業やダム建設などにおける取り組みが評価されています。

生い立ちと教育

高碕は大阪府島上郡三箇牧村（現在の高槻市）で生まれ、農家の家庭で育ちました。多くの兄弟の中で育つ彼は、母の実家に預けられることも多かったと伝えられています。初等教育を経て、茨木の養精高等小学校に進学し、さらに大阪府立第四中学校へ進みました。この中で、政治地理の授業が彼の将来に影響を与え、水産業に進む道を決意します。彼はその後、農商務省の水産講習所に入学しました。

水産業でのキャリア

水産講習所での学びを終えた後、高碕は三重県津市にある「東洋水産」に技師として就職し、その後メキシコへ派遣され水産調査に従事しました。彼の渡墨時代には、多くの困難に直面しながらも、缶詰工場の建設に関わります。この時期にアメリカの大学との関係を築き、スパイの疑惑を晴らすなどのエピソードもあります。

東洋製罐の設立

1917年、高碕は大阪に製罐会社「東洋製罐」を設立しました。彼はその後、日中戦争の影響を受けて満洲重工業開発の副総裁に就任し、最終的には総裁となります。この期間中、高碕はコスト削減や鉄供給の確保に注力しました。

電源開発への参加

1952年に高碕は電源開発の初代総裁に就任し、佐久間ダムの建設などに貢献しました。ダム工事ではアメリカの技術を取り入れ、際立った成果を上げました。彼のリーダーシップのもと、多くのダムプロジェクトが成功し、土木事業における新たなスタンダードを確立しました。

政治家への転身

1954年、高碕は経済審議庁長官に指名され、その後衆議院議員に当選します。彼は鳩山一郎内閣において経済企画庁長官としても活躍し、日比賠償協定にも関与しました。また、日中総合貿易に関する覚書の締結に携わり、LT貿易と呼ばれる新たな貿易形態を確立しました。

晩年と評価

高碕は1964年に79歳で亡くなり、周恩来から哀悼の言葉を受けました。彼の業績は日本の産業界や国際関係に多大な影響を与え、特に桜の移植事業など自然環境との共存にも力を注ぎました。生涯を通じて多くの人々に影響を与えた彼の業績は、今日でも評価され続けています。

もう一度検索