高落場山

高落場山（たかおちばやま）

高落場山は、富山県南砺市に位置する標高1122mの山です。高清水断層の隆起によって形成された高清水山地の一峰であり、山系の中では最も南に位置します。この山は、その豊かな自然と独特な地形から、登山者や自然愛好家に親しまれています。

地形と植生

高落場山の最大の特徴は、その地形と植生の違いです。北側の尾根は、1612年に加賀藩によって水持林（水源涵養地）として伐採が禁止されたため、広大なブナ原生林が今もなお残っています。この原生林は、手つかずの自然がそのまま残されており、多様な動植物が生息しています。

一方、南側の尾根は、かつて梨谷集落の人々によって生活利用されてきたため、植生が大きく異なっています。このように、山の南北で植生が全く違うため、別の山のように見えるほど景観が異なっているのが特徴です。

水源と山名の由来

高落場山は、二ッ屋川（小矢部川の支流）の源流であり、人喰谷という場所もあります。この山の名前の由来は、古くは「蘇る」「若返る」という意味の「変若（おち）」という言葉に遡ります。川の水源である滝を「変若水（おちみず）」と呼んでおり、高い場所に水源があることから「高変若場（たかおちば）」と呼ばれるようになり、それが転じて高落場山となったとされています。

登山

高落場山への登山道は、縄ヶ池林道の若杉集落跡に登山口と駐車場が整備されています。登山道は比較的整備されており、初心者から経験者まで楽しむことができます。山頂からは、周囲の山々や富山平野を一望できる絶景が広がっています。特に、秋の紅葉シーズンは多くの登山者で賑わいます。

周辺情報

高落場山は、富山の百山の一つにも選ばれており、その美しい自然は多くの人々に愛されています。南砺市には、この山以外にも多くの自然豊かな場所があり、観光やアウトドアを楽しむことができます。ぜひ、高落場山を訪れて、その魅力を体験してみてください。

参考文献

『富山県山名録』 桂書房
『富山の百山』 北日本新聞社

関連項目

* 南砺市

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