高清水山

高清水山（たかしょうずやま）

高清水山は、富山県南砺市にそびえる標高1145mの山で、高清水山系の最高峰です。砺波平野からもよく見えるその姿は、地域の人々に「東山」という愛称で親しまれています。この山は、高清水断層の活動によって隆起して形成されたとされ、その山容は周囲の山々の中でもひときわ目を引きます。

地理

高清水山の特徴の一つは、中腹に位置する縄ヶ池です。この池は、山からの豊富な湧水を水源としており、その水は常に清らかで、周辺の湿地にはミズバショウが群生しています。また、イワウチワ、ミツドツツジ、ユキツバキなど、多様な植物が生息しており、自然豊かな景観を楽しむことができます。高清水山の山腹にはブナ林も見られ、他の山系と比較して小規模ながらも、その美しさは訪れる人々を魅了します。

源流の河川

縄ヶ池から流れ出す水は、池川となって小矢部川へと合流します。この池川は、縄ヶ池からの豊富な湧水によって、常に水が途絶えることなく流れ続けています。このことが、高清水山の名前の由来にも繋がっています。

山名の由来

高清水山の名前は、縄ヶ池の豊富な湧水に由来しています。池への流入河川が枯れても、流出河川である池川の水量が途絶えることがないほど、この山の湧水は豊かです。その清らかな水の源である高い山、という意味で「高清水山」と呼ばれるようになりました。

登山

高清水山への登山道は、縄ヶ池からのルートと、杉尾峠からのルートの2つがあります。縄ヶ池からのルートでは、途中に「千年杉」と呼ばれる巨木のスギ林があり、自然の雄大さを感じることができます。登山道は整備されていますが、山頂まではそれなりの体力が必要となります。しかし、山頂からの眺めは素晴らしく、砺波平野を一望できるだけでなく、天候によっては遠くの山々まで見渡すことができます。

高清水山は、その豊かな自然と歴史的な背景から、多くの人々にとって魅力的な場所です。登山やハイキングだけでなく、自然観察や写真撮影など、さまざまな楽しみ方ができるでしょう。

その他

高清水山は庄川と小矢部川の分水嶺であり、この地域における水資源の重要拠点でもあります。また、「富山の百山」の一つに選ばれており、登山愛好家にとっても魅力的な山となっています。

参考文献
『富山県山名録』桂書房 p275-276
『富山の百山』北日本新聞社

関連項目
南砺市
縄ヶ池

もう一度検索