高谷川 (栗山川水系)

高谷川（たかやがわ）

高谷川は、千葉県香取郡多古町、山武郡芝山町、同郡横芝光町を流れる、栗山川水系の二級河川です。

概要

多古町一鍬田の田園地帯に源を発し、南へ流れてすぐに芝山町に入ります。その後、横芝光町に入ると流れを東に変え、多古町と横芝光町の境界を流れ、横芝光町小堤付近で栗山川に合流します。

成田空港C滑走路建設の影響

高谷川の上流端周辺は、成田国際空港のC滑走路建設予定地となっています。2029年の開業を目指し、現在、大規模な埋め立てと洪水防止のための調整池の整備が計画されています。また、空港補償道路が高谷川の中流域に建設される予定であり、この地域一帯の景観が大きく変化する可能性があります。

縄文時代の丸木舟

栗山川水系は、縄文時代の丸木舟が多数出土することで知られています。高谷川でも複数の丸木舟が発見されており、特に1953年（昭和28年）に出土した丸木舟は、年代が特定されている貴重な資料として、他の丸木舟との比較研究に役立っています。

1947年（昭和22年）には千葉市畑町の落合遺跡で、1948年（昭和23年）には安房郡豊田村（現在の南房総市）の加茂遺跡で丸木舟が出土しました。加茂遺跡の丸木舟は、縄文時代前期の土器が出土する層から発見され、その年代が明確に示されました。落合遺跡の丸木舟は、出土した土器がなかったため、年代の特定が困難でした。その後、1953年（昭和28年）に慶應義塾大学考古学研究室の清水潤三氏によって、「高谷川Ｂ地点」と名付けられた遺跡で縄文後期の土器が出土する地層から丸木舟が発見され、落合遺跡の丸木舟と類似していることが判明し、これらの丸木舟が縄文時代後期のものであることが特定されました。この発見は、縄文時代における丸木舟の発達過程を解明する上で重要な手がかりとなりました。

また、首都圏中央連絡自動車道（大栄JCT～松尾横芝IC）建設に伴う2023年（令和5年）12月までの発掘調査では、縄文時代の丸木舟が一度に15艘も出土しており、この地域における縄文時代の舟運の重要性を示す新たな証拠となっています。

橋梁

高谷川には以下の橋が架かっています（上流より）。

千代田橋（国道296号）
境橋
高谷橋（千葉県道45号）
与平橋（千葉県道79号線）

参考文献

須藤利一『船（ものと人間の文化史 1）』法政大学出版局、1968年、ISBN 978-4-588-20011-3

関連項目

千葉県の二級水系一覧

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