高速6号 (特務艇)

高速6号（AS No.6）概要

高速6号は、海上[[自衛隊]]が運用する特務艇であり、同型艇が存在しない唯一の艦艇です。この艇は、陸上自衛隊や航空自衛隊が使用する航空機が海上に墜落または不時着した際に、乗員の検索救助を目的とした最後の特務艇として建造されました。

設計

高速6号は、魚雷艇建造技術を試すための実験艇としての役割を強く持ち、従来の救難艇型特務艇とは異なるさまざまな新技術が採用されています。前の世代である高速4号型特務艇を基にしつつ、艇体は大型化され、海の波に対する耐性を向上させるためにディープV型の船型が採用されています。

艇体の構造は、魚雷艇10号型に続く耐腐食性のアルミ合金による溶接構造を持ち、縦肋骨方式が採用されています。また、船底や舷側には3条のスプレーブレーカーストリップが設置されており、航行時の安定性が確保されています。

エンジンは、従来のモデルで使われていたパッカード製のガソリンエンジンに代わって、おもに低速航行時の操縦性を向上させるために、中央に三菱重工業製の24WZディーゼルエンジン1基、左右にDH-24MKディーゼルエンジン2基の合計3基で構成されています。この新しいエンジンは、後の11号型魚雷艇においても採用されています。

艇体のサイズが増加したものの、速力は30ノットと、前のモデルと同水準を保っています。収容可能な乗員は9名であり、操舵室は前方に移動され、後部の救急室も拡大されています。また、この艇には任務特殊性を反映した視認性の高い塗装が施されており、艇体は白、甲板は黄色、上部構造物は赤に仕上げられています。

艦歴

高速6号は、1965年度計画に基づいて三菱重工業下関造船所で建造され、1967年3月20日に竣工しました。建造後は佐世保地方隊に配備され、1970年代には他の海上[[自衛隊]]の救難艇が退役していく中、本艇は長期にわたり運用され続けました。

しかし、1990年3月23日には除籍され、これをもって救難艇型特務艇はその歴史に終止符を打ちました。高速6号から得られた貴重な知見は、その後のアルミ合金艇の設計や運用に活かされています。

結論

高速6号は、その独自の設計と貴重な運用経験から、海上[[自衛隊]]の特務艇の中で特別な位置を占めています。彼女の退役は救難艇型特務艇の時代の終焉を意味し、今後の海上[[自衛隊]]における技術の進化に貢献したことは間違いありません。

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