高野宗順

高野宗順：華族子爵から失爵へ至る生涯

高野宗順は、激動の幕末から明治期を生きた稀有な人物です。公家としてキャリアをスタートさせ、宮内官や政治家としての道を歩み、華族の地位まで上り詰めました。しかし、その華麗な経歴の裏には、多額の負債を抱え、最終的には華族の身分を失うという波瀾万丈の人生がありました。

出自と初期の経歴

山城国京都で、名家である左近衛中将松木宗有の次男として誕生しました。幼少期から優れた才能を発揮し、安政4年（1857年）には従五位下に叙せられるなど、順調なキャリアを歩み始めます。慶応元年（1865年）には侍従に任じられ、明治2年（1869年）には従四位上に叙せられるなど、公家としての地位を確固たるものにしました。しかし、明治12年（1879年）に病気を理由に松木家の家督相続を断念、位記を返上せざるを得ない状況に陥ります。

官僚としての活動

その後、高野宗順は官僚として新たな道を歩み始めます。京都府に勤務し、庶務課で経験を積んだ後、宮内属や東華銀行取締役など、様々な役職を歴任しました。これらの経験を通して、政治や経済の知識・経験を深めていきました。

子爵襲爵と貴族院議員

明治23年（1890年）、先代の子爵高野保誠の養子となり、子爵位を相続しました。これにより、貴族院議員への道が開かれ、明治29年（1896年）には貴族院子爵議員補欠選挙で当選。以後、3期にわたって貴族院議員を務め、国の政策決定に携わりました。貴族院議員としての活動は1911年（明治44年）まで続きました。

破滅と失爵

しかし、高野子爵家の財政状況は芳しくなく、多額の負債を抱えていました。その結果、明治45年（1912年）には華族の礼遇が停止され、同年中には子爵位を剥奪、勲章も取り消されるという事態に陥りました。華族としての地位を失い、栄光に満ちた人生は終焉を迎えることとなりました。

系譜と参考文献

高野宗順の系譜は、父である松木宗有、母である孝子（葉室顕孝の二女）、養父である高野保誠、そして妻妾、長男である高野宗正など、様々な人物に繋がっています。彼の生涯については、『人事興信録』、『大日本華族大鑑』、『大日本人物誌』、『貴族院要覧』、『議会制度百年史』、『平成新修旧[[華族家系大成]]』など、多くの文献に記録が残されています。これらの文献を参考に、高野宗順の生涯をより深く知ることができるでしょう。

高野宗順の生涯は、成功と挫折、栄光と没落が複雑に絡み合ったドラマチックなものでした。幕末から明治という激動の時代を生き抜き、数々の役職を歴任した彼の経験は、現代社会においても貴重な教訓となるでしょう。

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