高野橋 (都幾川)

高野橋の概要

高野橋（たかのはし）は、埼玉県東松山市を流れる都幾川に架けられた重要な道路橋です。この橋は東松山市道52号線の一部であり、市内の高坂地区と野本地区を結ぶ役割を果たしています。橋の全長は155.1メートル、全幅は10.75メートルで、実際に通行可能な幅は9.75メートルです。構造は5径間の単純鋼合成板桁橋で、歩道は上流側に設けられています。橋面は緩やかな縦の曲線を描いており、全体的に美しい弓なりの形状をしています。

橋の両岸には取付道路があり、左岸側は盛土で、右岸側は長さ33.28メートル、幅10.65メートル、実用幅9.75メートルの2径間のPCT桁高架橋が併用されています。橋へのアクセスは両岸から可能ですが、公共交通機関の経路には含まれていません。また、橋は国土交通省による水位の測定地点の一つである、野本水位観測所の近くに位置しています。

歴史

高野橋が架かる都幾川付近には、歴史的に渡しがいくつか存在しました。早俣の渡し（現在の早俣橋）や高坂の渡し（現在の東松山橋）の間には、渡船場は設けられていませんでしたが、高野橋の位置に近い場所には古くから河岸が存在していました。天保年間には、旧早俣河岸として知られる場所が設けられ、数件の問屋が存在しました。

現在の高野橋が建設されるまでは、押垂橋と呼ばれる木造冠水橋が存在しましたが、老朽化や増水時に通行が困難なため、1981年に恒久的な橋への架け替え工事が始まりました。この工事は東松山市が主体となって行いました。橋は1987年に完成し、翌年の開通時には一部の取付道路が未完了であることから、地域住民の生活道路として使用されていました。工事の総費用は約8億円で、開通後には冠水橋が撤去されました。

修繕工事も行われており、2016年と2018年には橋の保全が施されました。特に2018年の工事は、12月から翌年の2月末まで行われました。

周辺環境

高野橋の周辺は自然堤防に囲まれた集落があり、その後背には水田が広がっています。地域は水害の危険があり、2019年の台風19号による大雨では広範囲にわたり浸水しました。周辺には、ピオニウォークやライフガーデン東松山などの商業施設が点在しています。さらに、西福寺や長楽堰などの歴史的・文化的なスポットも近くにあります。

また、近隣には神秘珍々ニコニコ園と呼ばれるスポットがありましたが、現在は閉園し、跡地には太陽光発電所が設置されています。周囲の道路は両岸に分かれ、地域住民の生活に密着した環境が形成されています。高野橋は、単なる交通の利便性を超えた地域の重要なインフラとして、これからも利用され続けることでしょう。

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