高野紀子

高野 紀子について

高野紀子（たかの のりこ）は、1936年8月4日に満州国の大連市にて誕生した日本の音楽学者です。音楽学の分野での彼女の偉大な業績は、日本国内外で広く評価されています。現在、彼女は国立音楽大学の名誉教授であり、一時期は同大学の学長も務めました。

学歴と留学

東京芸術大学の音楽学部楽理科を卒業し、その後、同大学の専攻科を修了しました。さらに、彼女はドイツ政府の奨学金を得てチュービンゲン大学に留学し、海外での音楽研究に励みました。これらの学びを通して、彼女の知識と視野はさらに広がり、特に中世ルネッサンス音楽や初期バロック音楽の声楽作品に専門性を持つようになりました。

音楽研究と演奏の活動

高野は国立音楽大学音楽研究所に長く所属し、古楽器を用いた初期オペラ作品の復元演奏に力を入れてきました。1970年代からは、国立音楽大学が展開する歌唱法研究において大きな役割を果たし、科学研究費助成事業の代表として多くの成果を上げました。1989年には、フランチェスカ・カッチーニのオペラ『ルッジェーロの救出』やクラウディオ・モンテヴェルディの『オルフェオ』の復元公演を行い、オペラ『ルッジェーロの救出』に関するCDの監修も担当しました。

1995年には、国立音楽大学70周年を記念してアントニオ・チェスティのオペラ『オロンテーア』の復元上演にも中心的に関わりました。これにより、彼女は古楽の普及や教育に寄与し、多くの学生や音楽愛好者に影響を与えています。

学長としての任期

2003年から2007年までの間、高野紀子は国立音楽大学の学長を務めました。この期間中、彼女は教育環境の整備や研究の促進に尽力し、大学の発展に寄与しました。彼女の指導の下、学生たちは多角的な音楽教育を受け、高度な専門知識を身につけることができました。

主な著作

高野の著作は大変多岐にわたり、特に翻訳書においては著名な作品が多いです。以下は彼女が手がけた主な著作のいくつかです。

• - ローベルト・ラッハ著『理論家としてのモーツァルト』（音楽之友社、1973年）
• - ハンス＝マルチン・リンデ編著『古い音楽における装飾の手引き』（全音楽譜出版社、1991年）
• - フリードリヒ・シュリヒテグロル著『モーツァルトの生涯』など。

彼女の著作は、音楽の理論や歴史、解釈について深い洞察を与えるものであり、学術ファンにとって貴重なリソースとなっています。

まとめ

高野紀子は日本の音楽界において、教育者としての役割はもちろん、音楽研究と演奏の両面における重要な貢献者として知られています。彼女の業績は今後も多くの音楽学者や愛好者に受け継がれていくことでしょう。

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