高鍋駅

高鍋駅：歴史と自然が織りなす、宮崎の玄関口

高鍋駅は、宮崎県児湯郡高鍋町に位置する九州旅客鉄道（JR九州）日豊本線の駅です。1920年（大正9年）の開業以来、地域住民の足として、そして観光客の玄関口として、長きに渡り重要な役割を担ってきました。

歴史を刻む駅舎

駅舎は1947年（昭和22年）に改築された木造建築。太平洋戦争中の空襲で被災した過去を持ちますが、その歴史は今も駅舎に息づいています。ホームにはかつて走っていた特急列車の「彗星」や「富士」の号車表示が残り、往時を偲ばせる貴重な証となっています。1973年（昭和48年）には、昭和天皇の全国植樹祭出席に際し、お召し列車が当駅を発車したという歴史的な出来事も刻まれています。国鉄分割民営化を経てJR九州の駅となり、2023年（令和5年）10月にはJR九州本体による直営駅へと移行しました。

駅の構造と周辺環境

高鍋駅は島式ホーム1面2線の地上駅で、跨線橋が設置されています。駅舎からホームへは跨線橋でアクセスできます。かつては、近くの酒造会社への引き込み線も存在していました。現在もみどりの窓口が設置され、利用客の利便性を高めています。

駅周辺は、高鍋町の東端部に位置し、海岸線にほど近いです。町の中心市街地までは約2キロメートル離れていますが、宮崎県道311号高鍋停車場線が駅と中心市街地を結んでいます。中心市街地には、高鍋町役場、舞鶴公園、高鍋町美術館、高鍋町歴史総合資料館、宮崎県立高鍋農業高等学校などの施設があります。

交通アクセス

駅前に宮崎交通のバス停があり、高鍋町内や近隣市町村へのアクセスも可能です。路線バスは高鍋バスセンター、西都バスセンター、さらには周辺の病院や学校などを結んでいます。また、コミュニティバスも運行されており、地域住民の生活を支えています。

高鍋駅の周辺スポット

駅周辺には、歴史と自然に触れることができる魅力的なスポットが点在しています。駅北側には小丸川が流れ、その河口付近には小丸川橋梁があります。この橋梁は、日豊本線が小丸川を渡る際に架けられた橋で、その美しい景観から撮影名所としても知られています。また、高鍋古墳や蚊口浜などの史跡も駅の比較的近くに位置しています。

利用状況

高鍋駅は高鍋町の中心駅として、多くの利用客で賑わっています。2023年度の1日平均乗車人員は約774人で、地域における公共交通機関としての重要な役割を果たしています。

まとめ

高鍋駅は、歴史と自然に恵まれた、魅力あふれる駅です。木造駅舎の温もりと、現代的な利便性を兼ね備え、地域住民や観光客にとってかけがえのない存在となっています。今後とも、高鍋町の発展に貢献していくことでしょう。

もう一度検索