高雄捷運橘線

高雄捷運橘線について

高雄捷運橘線（きつせん Orange Line）は、台湾高雄市における重要な公共交通路線の一つであり、鼓山区の哈瑪星駅から大寮区の大寮駅までを結びます。この路線は、高雄市内の東西を結ぶ主要な交通手段として機能しており、全長は14.4kmに及びます。

路線の特徴

具体的には、橘線は西側の哈瑪星駅を起点に、中山大学近辺を通り抜けるルートを採っています。その後、哈瑪星、中正路、大港埔円環（美麗島駅）、文化中心、衛武営（公園予定地）、そして最終的に鳳山を経由して大寮駅に至ります。特筆すべきは、地上区間が大寮駅と鳳山国中駅間に限られ、その大部分が地下トンネルで運行されている点です。

利便性と快適性

橘線の駅は全て、エレベーターやエスカレーターをはじめとしたバリアフリー設備が整っており、誰もが利用しやすい設計となっています。また、全ての地下駅にはホームドアが設置されており、利用者の安全も考慮されています。さらに、駅内には公衆無線LANが完備され、インターネット接続が可能であり、トンネル内でも携帯電話の通話ができるように中継設備も整っています。

ただし、改札内には売店や自動販売機は設置されておらず、飲食物や喫煙に関しては法令により厳しく制限されています。これは、公衆の安全や駅の清潔を保つための措置です。なお、かつては塩埕埔と市議会の間に「愛河駅」という駅が計画されていましたが、地下街の経済的問題や市政府の移転により、この計画は取り消されました。

運行情報

この路線は、高雄捷運株式会社によって運営されており、全体の環状路線として複線方式で運行されています。列車は自動列車運転装置（ATO）を使用し、直流750Vの第三軌条方式で運行されます。駅の数は14と、起終点を含めており、車両はシーメンス製のモジュラー・メトロの3両編成を採用しています。各車両は長さ21.9m、幅3.1mで、片側に4つのドアを備えており、利便性が高いです。

運行時間と料金

運行時間は朝6時から午後11時までで、各駅停車のみが運行されています。また、列車の運行間隔は6〜10分と比較的短いです。運賃は、最低20元からで、大寮駅から哈瑪星駅間では45元となっており、現金専用です。車両基地は大寮機廠に設定されています。

乗車人数の推移

橘線の乗車人数は開業以来、日平均で徐々に増加しています。2008年9月14日に開業し、最初の月に約27,896人の利用者がありましたが、その後の数ヶ月で多くの人々が利用するようになり、2018年1月には35,995人に達しました。これからも、利用者数は増加傾向にあり、高雄市の交通需要の高まりを反映しています。

未来の展望

将来的には、この路線の延伸計画もあります。塩埕埔から海底トンネルで旗津へ、また大寮駅から南方の林園区まで、さらには鳳山国中駅から東へ屏東市までの延伸が検討されています。特に屏東への延伸については、以前存在した台糖の専用線跡を利用する案などが浮上していますが、郊外の人口が少ない地域を通るための批判もあり、賛否が分かれています。

高雄捷運橘線は、都市の発展に大いに寄与しており、これからの更なる発展にも期待が寄せられています。今後の動向に注目したいところです。

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