高雄 (重巡洋艦)

重巡洋艦「高雄」（たかお/たかを）

概要

「高雄」は日本海軍の重巡洋艦であり、高雄型重巡洋艦の1番艦として広く知られています。艦名は京都府の高雄山に由来しており、この艦の艦内神社は京都護王神社に設置されています。興味深いことに、「高雄」の名前は艦艇の艦名として何度も使用されてきました。歴史的には、江戸時代の蒸気船「高雄丸」や、イギリス造船の運輸艦や日本で建造された巡洋艦「高雄」などが代表的です。

艦歴

建造の経緯

「高雄」の建造は、1927年4月16日に横須賀海軍工廠で始まりました。起工は同年4月28日で、同じ施設で建造されていた「妙高」と共に進行しました。正式な艦名は1930年6月に決定され、香淳皇后の臨席のもと進水式が行われました。艦が竣工したのは1932年で、当時の海上防衛力を強化するための重要な存在となりました。

太平洋戦争まで

就役後、高雄は第二艦隊や第四戦隊に配属され、多くの歴史的な艦隊演習や視察に参加しました。1934年には、秩父宮ご一行の視察を受け、また特別な演習にも出席しました。日中戦争の勃発後には上海に派遣され、近代化改修を経て第二次大戦に入ります。

太平洋戦争緒戦

1941年の太平洋戦争開戦時、艦長は朝倉豊次大佐でした。「高雄」は南方部隊の一員として重要な作戦を支援しました。特に、フィリピンへの上陸作戦ではフィリピンにおける日本の主要な戦力として活躍しました。その後、ジャワ海やダッチハーバーでの激しい戦闘にも関与しました。

昭和十八年以降の戦い

1943年、ガダルカナル島からの撤退支援を行った後、高雄は中部太平洋に移動しました。その後、ラバウルでの空襲によって艦が被弾し、損傷しましたが、見事に修理され再び出撃を果たしました。1944年にはマリアナ沖海戦に参加し、その後も激化する戦局において奮闘しました。

昭和二十年の戦い

終戦を迎える1945年、高雄は本土防衛のためにシンガポールに残留し、そこで小型潜水艦による攻撃を受けました。終戦時、高雄の乗員は817名を数え、後に連合軍によって接収されました。

最終的には、1947年に正式に除籍された後、イギリス海軍によって沈没処理されました。艦の歴史は、日本の海軍力の変遷を象徴する一部として現在も忘れられずに語り継がれています。

高雄型重巡洋艦の意義

「高雄」はその造船技術と戦術的運用において、高雄型重巡洋艦が持つ特異な特徴を体現しています。また、その命名にまつわる歴史的背景や数多くの戦歴は、海軍史において重要な位置を占めています。さらに、艦長たちや乗組員の記録は、当時の日本海軍の実情を知る貴重な考察材料です。

高雄の艦艇全体を見ると、彼女の功績や運命が多方面で影響を及ぼしたことがわかります。艦名としての「高雄」は、今後も日本の海軍の歴史を彩る重要な存在であり続けるでしょう。

もう一度検索