高須神社停留場

高須神社停留場

高須神社停留場（たかすじんしゃていりゅうじょう）は、大阪府堺市堺区北旅籠町東1丁に所在する、阪堺電気軌道阪堺線の停留場です。駅にはHN17という駅番号が付与されています。

この停留場の名称に含まれる「神社」の読みは、一般的な日本語の発音である「じんじゃ」とは異なり、「じんしゃ」と発音される点が特徴的です。車内アナウンスでもこの「じんしゃ」という読み方が使用されていますが、この独特な読み方がなぜ用いられるようになったのか、その由来については現在も明らかになっていません。

この停留場の歴史は古く、明治時代にさかのぼります。1911年（明治44年）12月1日、当時の阪堺電気軌道の駅の一つとして開業しました。その後、運営事業者は時代の変遷とともに幾度か変わっています。1915年（大正4年）6月21日には、会社の合併により南海鉄道の駅となりました。戦時中の1944年（昭和19年）6月1日には、さらなる会社合併を経て近畿日本鉄道の一部となります。終戦後の1947年（昭和22年）6月1日、鉄道事業の再編に伴う事業譲渡により、再び南海電気鉄道の駅として運営されることになりました。そして、1980年（昭和55年）12月1日には、再度事業譲渡が行われ、現在の阪堺電気軌道の停留場として今日に至っています。このように、開業当初の阪堺電気軌道から、南海鉄道、近畿日本鉄道、南海電気鉄道を経て、再び阪堺電気軌道へと所属が移るという複雑な歴史をたどってきました。

停留場構造は、線路を挟んで互いに向き合う二つのホームを備える相対式ホーム2面2線の配置を採用しています。当停留場が位置するのは、かつて濠と城壁に囲まれていた歴史的な環濠都市・堺の旧市街地、いわゆる「環濠内」と呼ばれるエリアです。ホームは、堺の南北を結ぶ主要な通りである大道筋から東へ数えて二本目にあたる十間筋の西側に沿って敷設された、新設軌道上に配置されています。以前は、我孫子道方面行きの線路間に、手動式の上下渡り線が設置されており、車両の折り返しなどに利用されていましたが、この渡り線は2020年（令和2年）11月に撤去されています。

停留場の周辺には、その名の由来となった高須神社が鎮座しています。この神社は、停留場から見てすぐ北東に隣接しており、大阪府堺市堺区北半町東3-5に位置しています。かつて堺の市街地を取り囲んでいた堀、土居川（現在は大部分が埋め立てられ、緑地や公園として整備されています）に囲まれた旧市街地の、ちょうど北東の角にあたる場所に鎮座する稲荷社です。なお、駅名の読みは「たかすじんしゃ」ですが、神社自体の一般的な読み方は「たかすじんじゃ」とされています。

また、この地域は歴史的に鉄砲鍛冶が多く居住していたことでも知られています。停留場から西へ五本目の通りである中浜筋沿い、特に堺区北旅籠町西や桜之町西の辺りがその中心的な居住区でした。現在もその名残として旧鉄砲鍛冶屋敷（堺区北旅籠町西1丁3-22）などが残されており、当時の歴史を伝えています。

交通アクセスとしては、当停留場から約500メートルほど西方に、南海電気鉄道の南海本線七道駅があり、徒歩での乗り換えが可能です。また、周辺には阪神高速15号堺線の高架橋なども見られます。

阪堺電気軌道阪堺線における、当停留場の隣接停留場は以下の通りです。

* 大和川停留場 (HN16) - 高須神社停留場 (HN17) - 綾ノ町停留場 (HN18)

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