綾ノ町停留場

綾ノ町停留場

大阪府堺市堺区に位置する阪堺電気軌道阪堺線（通称：阪堺電車）の停留場、綾ノ町停留場（あやのちょうていりゅうじょう）について解説します。この停留場には、駅番号としてHN18が割り振られています。

停留場構造

綾ノ町停留場は、単式ホームを二つ備え、合計二本の線路で構成されています。最大の特徴は、各ホームが「綾之町」という交差点を挟んで向かい合う形ではなく、互い違いに配置される「千鳥式配置」と呼ばれる構造を採用している点です。

恵美須町方面へ向かう上りホームは、綾之町交差点の東側、綾之町東1丁のエリアに位置しており、新設された軌道上に設置されています。一方、浜寺駅前方面へ向かう下りホームは、交差点の西側、錦之町東1丁にあたり、こちらは大阪府道30号大阪和泉泉南線、通称「大道筋」の中央を走る併用軌道上に設けられています。

恵美須町方面ホームに設置されている駅名標は、駅ナンバリングが導入された後の更新を経て、南海電気鉄道の様式とも異なる阪堺電鉄独自の新しいデザインとなっています。更新される前の駅名標は、現代から見て一世代から二世代ほど前の古びた自立式のものが残されており、特に次駅である高須神社停留場の表記が、一般的な「たかすじんしゃ」ではなく「たかすじんじゃ」と記されていたことが、一部の鉄道ファンには知られていました。

停留場周辺

停留場周辺には、地域住民の生活や文化に根ざした様々な施設や建物が存在します。

山口家住宅: 国の重要文化財に指定されている、江戸時代初期の商家建築です。
堺市立青少年センター: 青少年の健全育成を目的とした公共施設です。
綾ノ町東商店街: 地元に密着した活気ある商店街です。
堺市立錦綾小学校: 地域の子どもたちが通う公立小学校です。
大阪信用金庫 七道支店: 地域住民向けの金融機関です。

これらの施設は停留場から比較的近い位置にあり、このエリアのランドマークや生活拠点となっています。

バス路線との接続

綾ノ町停留場は、南海バスが運行する「綾の町電停前」停留所が隣接しており、バスへのスムーズな乗り換えが可能です。ここからは堺市内の主要な場所へ向かう複数の路線が発着しています。

東行（堺東駅前方面）

17・85系統: 錦綾町や中向陽町といった地域を経由して、堺市の中心部である堺東駅前へ向かいます。
16・61系統: 花田口や大小路といった歴史的な地域を経由し、こちらも堺東駅前へのアクセスルートとなります。

西行（堺駅西口・その他方面）

16系統（北循環線）: 松屋、Jグリーン堺南口、堺浜シーサイドステージ、八幡町などを経由し、堺駅西口が終点となる循環系統です。
16C系統（北循環線）: 16系統と同様の経路をたどりますが、八幡町が終点となり、運行は平日朝の時間帯に限られています。
17系統（北循環線）: 海山通四丁、Jグリーン堺南口、堺浜シーサイドステージ、八幡町などを経由して堺駅西口へ至る系統です。
61系統: 松屋や大型商業施設であるイオンモール堺鉄砲町を経由し、大阪市営地下鉄（現在のOsaka Metro）の地下鉄住之江公園駅前までを結びます。
85・86系統: 堺市の臨海部方面、匠町行きとして運行されています。

これらのバス路線により、阪堺電車だけではカバーできないエリアへの移動が容易になります。

隣の停留場

阪堺電気軌道阪堺線における綾ノ町停留場（HN18）の前後の停留場は以下の通りです。

恵美須町方面：高須神社停留場 (HN17)
浜寺駅前方面：神明町停留場 (HN19)

（停留場名の後の括弧内は駅番号を示します。）

綾ノ町停留場は、その独特の構造と地域に根差した役割を持つ、阪堺線における重要な電停の一つです。

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