高鳥順作

高鳥 順作について

高鳥順作（たかとりじゅんさく、1868年5月5日 - 1958年2月8日）は、日本の政治家であり実業家としても知られています。新潟県能生谷村に生まれ、貧しい農家の家庭で育ちました。小学校を卒業後は、家計を支えるために親の手伝いをしながら夜学に通う日々を過ごしました。

土木業への道

彼は24歳の時、登記所の整地工事に入札し、土木請負業を始めることになります。その後、高鳥組を立ち上げ、新潟県内の公共事業を請け負うようになります。明治末期には、加治川の改修工事や、北陸本線の建設工事を手掛け、特に鉄道建設ではその名を馳せました。高鳥組はその後、名立から青海間の工事も特命で受けることになります。

干拓事業の成功

彼は政界に進出し、長男の博に高鳥組を託しましたが、それでも彼自身は宮城県の干拓事業に従事することになります。ここはかつて多くが失敗した地域でありましたが、高鳥は1927年からの数年の大規模な工事を経て、1146ヘクタールの水田と70ヘクタールの畑を造成することに成功します。この成功により、彼は大地主となり、農地改革まで多額の収入を得ました。

銀行業への進出

高鳥の成功はまだ続きます。1914年には能生銀行の専務に就任し、経営を立て直すために積極的な融資を行いました。高鳥の手腕により、能生銀行は業績を回復し、最終的にはいくつかの行を合併して成長を続けました。しかし、戦時体制により1943年には第四銀行に合併されますが、高鳥はその顧問職に就任します。

政治家としての活動

高鳥の政治活動は、1910年の西頸城郡会議員選出から始まります。その後、1915年に衆議院議員に当選し、大糸線の建設や能生築港の推進に貢献しました。1925年にはワシントン万国議員会議に参席し、その後もパリ万国議員会議にも出席する等、国際的な場でも活動しました。また、1932年には新潟県の多額納税者として貴族院議員に選ばれ、1939年までその職を務めました。

能生町長としての功績

1918年から1946年の間には、能生町の町長を務めました。当時の能生町は水質が悪く井戸が不足していましたが、高鳥は人口のニーズに応えるため上水道の敷設事業を推進しました。周囲の反対を押し切り、1930年に上水道を完成させました。その後、公職追放を経て、1952年に再び町長に就任しますが、病に侵され、1958年にこの世を去ります。享年89歳。

家族と子孫

彼の家族には、長男の博、長女のハル、次男の登がいます。また、孫の高鳥修や曾孫の高鳥修一も政治家として活躍しています。

高鳥順作の生涯は、努力と成功、そして様々な試練に満ちたものでした。彼の遺した足跡は、今も多くの人々に影響を与え続けています。

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