高麗国祖

高麗の建国者王建の家系とその背景

高麗を建国した王建は、即位から2年後に王隆を世祖、王帝建を懿祖として追封しましたが、国祖については議論が分かれています。王建の諡号は「元徳大王」とされています。

国祖康宝育について

『編年通録』や『高麗史節要』によると、国祖と称されるのは康宝育です。康宝育は中国京兆郡出身の康叔の次男であり、67世の孫にあたります。康宝育の父親である康忠は、伊帝建と康宝育という二人の子供を持ちました。康宝育は、姪の徳周と結婚し、共に康辰義を授かりました。

その後、康辰義は中国の人との間に子をもうけ、その子供が王帝建にあたります。王帝建の父は唐の皇族であるとされており、『編年通録』『高麗史節要』ではその父を粛宗とし、『編年綱目』では宣宗と記録しています。

王帝建の運命的な出会い

王帝建は、自身の父を探し出すために唐へ渡る途中で、黄海を渡河する事になります。その折に、西海龍王の娘、すなわち後の元昌王后と運命的な出会いを果たします。『聖源録』によれば、この龍女は中国平州出身の頭恩坫角干の娘であるとされています。

王帝建と西海龍王の娘との間には王隆が誕生し、この王隆の子が高麗の建国者である王建なのです。王建の血筋は、王帝建から始まり、その後の世代に引き継がれていきます。

王建の影響

王建の背景を知ることは、高麗の歴史を理解する上で重要です。彼の家系は、様々な国々や文化との繋がりを持っており、その影響は高麗の政治や文化に大きな役割を果たしました。王建の一族の物語は、彼らの出自や結婚によって織りなされており、時代背景を考えると、単なる王朝の継承だけではなく、国の形成にも多大な影響を与えたことがわかります。

高麗の歴史の初期における王建の役割は、今後の朝鮮半島における国家形成の基盤を築くことに寄与しました。彼の家族の成り立ちや親族の関係性を紐解くことで、時代背景をより明確に理解することができるでしょう。

これらの要素は高麗の建国神話ともなり、高麗の国の精神的な支柱として認識されています。高麗の歴史を考える上で、王建の存在がどういった影響を及ぼしたのかは、今後の研究にも繋がる重要なテーマであると言えます。

参考文献

• - 高雲基『韓国の中世における女性 : 13世紀の文献資料を中心に』慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会、2001年12月。

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